マセラティ初の電動化モデル「ギブリ ハイブリッド」が誕生!
さまざまなクルマで電動化が進む中、マセラティも同社初となる電動化モデル「ギブリ ハイブリッド」を2021年6月にリリース。走りに拘るマセラティらしく、燃費の効率化と同時にパフォーマンスの向上にも重点を置いており、直列4気筒エンジンにBSG、eブースター、48Vバッテリーを組み合わせることで出力330psを発生させ、最高速度 255㎞/h、0-100㎞/h加速5.7秒という圧倒的なパフォーマンスを実現しています。そんな「ギブリ ハイブリッド」を、いつもの嵐山-高雄パークウエイに持ち出し、電動化されたプレミアムスポーツセダンの乗り味を体験してきました。
【試乗車:Maserati Ghibli Hybrid Gran Sport(ボディカラー:BLU EMOZIONE) / 取材協力:マセラティ京都】
01.マセラティは100年以上の歴史を持つ老舗ブランド
マセラティの歴史は100年以上と大変長く、1914年にマセラティ兄弟の三男アルフィエーリがマセラティの前身となるアルフィエリ・マセラティ工房をイタリア・ボローニャに設立したのが始まりです。当初はスポーツカーを専門にチューンナアップするファクトリーでしたが、第一次世界大戦後、会社の株式を取得したアドルフ・オルシが経営に参画することで本格的にクルマの製造・販売を行うようになりました。
第二次世界大戦以降もスポーツカーの製造を継続し、マセラティ初の量産車である「Maserati 3500GT」が製造されたのは1957年のこと。3500GTは商業的にも大きな成功を収めたので、それまで積極的に参加していたF1などのレースから撤退し、市販車の製造に注力するようになりました。しかし、経営的に厳しい時期もあり、シトロエン、プジョー、デ・トマソなどの傘下を経て、現在はフェラーリを子会社に持つフィアットの傘下となったことで経営も安定し、高級サルーンメーカーとして成功を収めています。
02.ギブリの歴史は1966年に登場した2シータークーペからスタート!
初代ギブリは1966年にロッツェリアギアのデザイナーだったジョルジェット・ジウジアーロがデザインを担当して誕生しました。2人乗りのクーペスタイルの初代ギブリには、V型8気筒4.7Lのエンジン+5速MTが搭載され、0-60mph(約96.5km/h)加速は6.8秒、最高速度は265km/hと当時は世界最速の1台として、名車として名高いフェラーリ デイトナやランボルギーニ ミウラP400の人気に匹敵するほどの大ヒット作となりました。この結果、当初100台のみの生産計画だったところを、すぐに400台に修正し、最終的には1972年の生産終了までに合計で1295台を生産しました。
2世代目のギブリは、1992年にギブリⅡとして復活。初代ギブリと同じラグジュアリークーペでしたが、直線基調の2ドア4シーターのノッチバックスタイルとなりました。エンジンは V型6気筒2.0Lと2.6Lとやや小さめの排気量ながら、最高速度は260km/h、0-60mph加速は5.7秒と相変わらずハイスペックを誇りました。
3代目のギブリは、約15年の沈黙期間を経て2013年にギブリⅢとして登場。現行型でもあるギブリⅢは、Eセグメントに分類される高級スポーツセダンで、全世界での量販戦略を担うマセラティの中心車種となっています。