高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた新しい軽トールワゴン
スズキは、軽トールワゴンの先駆者として名高いワゴンRの新モデル「ワゴンRスマイル」を2021年9月10日から販売開始。「ワゴンRスマイル」は、高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた新しい軽ワゴンをコンセプトとして開発されたクルマで、広い室内空間と高い機能性に加え、スライドドアの利便性と個性的なデザインを兼ね備えた軽ワゴンとして幅広い世代のユーザーをターゲットとしたモデルです。今回は「ワゴンRスマイル」の中でも最上級モデルの「Hybrid X」をチョイスして、いつもの嵐山-高雄パークウェイをドライブしてきました。
【試乗車:スズキ ワゴンRスマイル HYBRID X(ボディカラー:インディゴブルーメタリック2 ホワイト2トーンルーフ) / 取材協力:スズキアリーナ京都西】
01.「ワゴンR」は、今日の軽自動車人気の基礎を築いた歴史的モデル
今から遡ること40年ほど前の1980年、軽自動車市場におけるスズキのシェアは36.5%で、ライバルメーカーがアルトの対抗車を発売したせいもあって占拠率は徐々に低下。これを受けてスズキは、軽No.1メーカーであり続けるために新車種の開発が必要と考え、10年以上の歳月を経て1993年9月にリリースしたのが、「初代ワゴンR」でした。
「初代ワゴンR」は、従来の軽乗用車にはなかった車高の高いスクエアボディにするとともに、そのパッケージングを生かすため、背もたれを立てたシート設計や大型ドアなどを採用したところが特長。乗る人を最優先した快適で使い勝手の良いパッケージングなどが高く評価され、アルト以来の爆発的なヒットとなりました。この成功に着目した各社は、同様のパッケージングを採用したクルマを次々と発売。「初代ワゴンR」は軽トールワゴンという新ジャンルの確立に貢献したばかりか、今日の軽自動車人気の礎を築いた歴史的モデルといえます。
ちなみに、「R」の由来は革新・画期的を意味するREVOLUTIONと、くつろぎを意味するRELAXATIONの頭文字。「軽自動車の新しい流れを作る新カテゴリーのクルマ」、かつ「生活にゆとりを与えるクルマ」という2つの意味を込められています。
「ワゴンR」は、その後もマイナーチェンジやモデルチェンジが繰り返し行われ、現在も軽トールワゴンのベストセラーとして君臨。その歴史を辿ってみると、1998年に2代目、2003年に3代目、2008年に4代目、2012年に5代目、2017年には現行型の6代目がリリースされ、約30年にわたってオリジナルのコンセプトを大切に引き継ぎながら正常進化・熟成がなされてきました。この結果、2021年4月時点での累計販売台数は481万台を記録しており、主力車種のアルトとともにスズキを代表するモデルとなっています。
6代目の現行型「ワゴンR」は、発進時にモーターのみで走行できるマイルドハイブリッドを搭載。軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォームHEARTECTの採用とも相まって、軽ワゴンNo.1の低燃費33.4km/L(JC08モード)を達成しています。
また、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーで前方の歩行者や車を検知して衝突の被害を軽減するデュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)や、周囲の状況に合わせて自動でハイビームとロービームを切り替えるハイビームアシスト機能などの先進安全装備も搭載。ダッシュボードに車速やDSBSの警告などを表示するヘッドアップディスプレイも、軽自動車で初めて採用されました。