06 新世代エンジン「SKYACTIV-X」への期待が膨らむ
現状、「MAZDA3」には1.5リッターと2リッターのガソリンエンジンと、1.8リッターのディーゼルエンジンがラインアップされおり、今回試乗した「MAZDA3 FASTBACK 1.5S Touring」には、「SKYACTIV-G 1.5」という1.5L水冷直列4気筒DOHC16バルブのガソリンエンジンを搭載。「MAZDA3」の中ではエントリークラスのエンジンで、ターボチャージャーも装着されていませんが、レスポンスが良く、トルクも太さめなので、市街地では不満を感じることは皆無です。
一方で嵐山高雄パークウェイのようなワインディングの登坂では、ややパワー不足を感じてしまいますが、トランスミッションのスポーツモードを選択すると俄然元気が良くなってグイグイ加速して行きます。おそらく、2リッターの「SKYACTIV-G 2.0」ならば、スポーツモードを選択するまでもなく、どんなシチュエーションでも力強い走りができるはず。キビキビ走りたい方には「SKYACTIV-G 2.0」がオススメです。
ちなみに「MAZDA3」には、量産車としては初めて新世代エンジン「SKYACTIV-X」が、秋ごろ追加される予定になっています。「SKYACTIV-X」は、独自の燃焼方式「火花点火制御圧縮着火(Spark Controlled Compression Ignition:SPCCI)」を採用し、ガソリンエンジンで圧縮着火を制御する技術を世界で初めて実用化。また、スーパーチャージャーやMハイブリッド(マイルドタイプのハイブリッド)も装着されるので、力強いトルクを備えるディーゼルエンジンと、高回転までスムーズに伸びていくガソリンエンジンの良さを兼ね備えた走りができるはず。話題の「SKYACTIV-X」エンジンが搭載されると、「MAZDA3」はこれまで以上に魅力的なクルマになること請け合いです。
07 意のままにコントロールできるハンドリング特性は秀悦
「MAZDA3」のサスペンションは、フロントは従来のマクファーソンストラット式を継承・進化させつつ、リアには新開発のトーションビーム式のサスペンションシステムを採用。マツダが、これまで追求してきた「意のままのコントロール性」をより精密で、自然に楽しめる操縦安定性を実現することを目指しています。
実際に運転してみると、まったく癖を感じさせないニュートラルなハンドリング特性となっており、以前からマツダが掲げている人馬一体の感覚を味わうことが可能。エンジン、タイヤ、ボディなどからの音の侵入も少なく静粛性は高いレベルになっていますが、荒れた路面を走ると若干、突き上げを強く感じるケースがあります。しかし、これは横方向からの入力を、上下方向で吸収して挙動を安定させるようにセッティングされていることに起因するもので、確かに凸凹道や轍(わだち)を走行してもステアリングを取られる場面は少なく、常に安定した走行が可能です。
今回は「MAZDA3 FASTBACK 1.5S Touring(2WD)」の試乗レポートをお届けしましたが、とりわけエクステリアとインテリアのデザインは圧倒的な美しさに仕上がっています。もちろん、美しさだけでなく、エンジン、サスペンション、ボディ構造など、クルマに求められる本質を感動レベルまで引き上げており、これが「MAZDA3」の最大の魅力といえるでしょう。
マツシマホールディングスのマツダ販売店では、「MAZDA3」の試乗車を各種取り揃えていますので、ぜひ店頭でその素晴らしさを体感してみてください。
ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。
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