FWD化されてもBMWらしいスポーティーな乗り味は健在!
BMWのシリーズ中、最もコンパクトなモデルでありながら、優れた走行性能と機能性を備え、高い評価を得てきた1シリーズが2019年8月にフルモデルチェンジされました。第3世代となる新型BMW 1シリーズは、先にFWD(FF)化されている2シリーズに続いて、1シリーズとしては初めてFWD化されているほか、BMWとして日本初導入となるタイヤスリップコントロールシステム(ARB)を採用するなど高い走行性能を実現しています。そんな「118i M Sport」の実力を探るべく、いつもの京都・嵐山高尾パークウェイをドライブしてきました。
【試乗車:BMW 118i M Sport / 取材協力: Kyoto BMW 本社(五条)、 Kyoto BMW 京都南】
01 3代目は横置きエンジン+前輪駆動のFWDレイアウトを採用
BMWのエントリーモデルである1シリーズは、2004年に初代モデルが登場し、7年後の2011年には2代目が登場。今回のフルモデルチェンジで3代目となるわけですが、最大の注目点はエンジンを横置きしてFWD(FF)化されたこと。「駆けぬける歓び」というキャッチフレーズとともに独自の世界観を築き上げてきたBMWは、縦置きエンジン+後輪駆動のRWDレイアウトで前後重量配分50:50を実現するなど、理想の走りを実現するためメカニズムへの拘りは半端ではではありませんでした。1シリーズは、このコンセプトを継承して2代目まではRWDレイアウトを採用。CセグメントではFWDが主流となっている中、軽量コンパクトな素性の良さを生かして、素直なハンドリングと軽快な走りが楽しめる貴重なRWDとして根強い人気がありました。しかし、3代目の新型1シリーズでついにFWD化され、これまでラインアップされていた3ドアハッチバックも姿を消し、5ドアのみの構成となっています。
02 新世代キドニーグリルと直線基調のシルエットで精悍さが増したエクステリア
新型1シリーズのエクステリアは、BMW伝統のキドニーグリルを大型化したうえで、中央部を連結した直線基調のデザインに目を惹かれます。これをBMWでは新世代デザインのキドニーグリルと呼んでいますが、このお蔭で顔つきはグッと高級感が増し、シャープなデザインの4灯ヘキサゴナルLEDヘッドライトも手伝って、とても若々しく、精悍な印象に変化しました。ボディは無駄な抑揚を省いて、くっきりとした直線基調のプレスラインを引くことで、スポーティーなくさび形のシルエットを実現。サイドビューはリヤホイールを強調するような力強いシルエットをまといながら、全体として端正な印象を与えています。リアに目を移すと、低重心なシルエットに新デザインのL字型テールランプが印象的なアクセントとなっており、どの角度から見てもカッコ良く、スポーティーな仕上がりとなっています。