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BMW iX3 M Sport 試乗レポート

センターコンソールに配置されたスタート/ストップボタン、ギヤセレクタースイッチおよびステアリングホイールのBMWエンブレムの青色アクセントは、「BMW iX3」が純電気駆動であることを表現している

 

06.駆けぬける歓びと操作をさらに最適化したインテリア
「BMW iX3」はインテリアデザインも従来以上にスポーティーな雰囲気が強調されています。まず、M Sportパッケージでお馴染みのスポーツシートが標準装備品となっており、急カーブ走行時にも運転者と同乗者を確実に保持してくれます。さらに、標準仕様で新しい内装仕様センサテックが採用され、黒またはコニャック色コンビネーションのステッチが施されるほか、青色コントラストシームを持つモカ、オイスターまたは黒のベルナスカ・レザーのシートを選ぶことも可能です。アンスラサイト色のルーフライナーも標準装備のM Sportパッケージの一部となっており、暗色アルミニウムロンビクルおよびオープンポア仕上げアッシュ材のインテリアトリムも新たに採用されました。
センターコンソール上の操作パネルおよびダッシュボード中央の操作部は新たに設計されたもので、標準装備のBMWライブコックピットプロフェッショナルのコントロールディスプレイは12.3インチに拡大されています。「BMW iX3」のフルデジタル計器群は、12.3インチのインストルメントクラスターおよび同じ大きさに拡大されたコントロールディスプレイから構成。スタート/ストップボタンは新たな形状のセンターコンソールに配置されているほか、ギアセレクタースイッチ、BMWコントローラー、ドライビングパフォーマンスコントロールスイッチユニット、電気機械式パーキングブレーキも同じ場所に配置されており、すべての操作系が扱いやすい位置にレイアウトされています。
 

ドアステップには、照明付きのBMW Mロゴ入りの照明付きエントランス・ストリップを装備。ドアを開けた瞬間からスポーティーな雰囲気を味わえる

「BMW iX3」のスポーツシートは体をしっかりホールドするが、比較的柔らかいレザーが使用されているので、長時間走行でも疲れ知らずで快適だ

荷室の容量は5人乗車時で510L、後席の背もたれを倒すと1560Lに拡大可能。内燃機モデルより若干狭いが、SUVとしては十分なキャパシティーだ

「BMw iX3」は電動パノラマサンルーフも標準装備。ボタンひとつで簡単にチルトアップ/スライドが可能で、車外からリモコンで開閉することもできる

07.静かで滑らか、それでいて強烈な加速感はEV最大の魅力
「BMW iX3」は静かで滑らか、それでいて極めて力強く加速してくれるので、内燃機モデルから乗り換えても何ら不足は感じないはず。むしろ、どの速度域からでもぐいぐい加速してくれるので、ひとたびこの加速に慣れてしまうと、エンジンサウンドやアナログ的な魅力を除けば内燃機モデルには戻れないかもしれません。
これは「BMW iX3」に搭載されている電気モーターの最大回転数は17,000rpmと高速で、広範囲にわたって最大出力210kW/286psを早期に得ることができ、トルクも起動時には400Nmに達する瞬発力を有していることが要因。これにより、停止状態から100km/hまで6.8秒と猛烈な加速力を実現しているわけです。
当然ながら、BMW伝統のスポーティーな走りも健在。シャープでニュートラルなハンドリング、クルマ全体から伝わってくる剛性感、やや硬めの足回りと高い走行安定性、どの速度域でも良く効くブレーキなどは、ほかのBMW車と変わらない安心感と駆け抜ける喜び提供してくれます。
 

回生ブレーキのモード切替はコントロールディスプレイから行う。4段階に選択可能だが、「アダプティブ」は極めて自然な形で回生ブレーキが動作するのでオススメだ

新設計のセンターコンソールにはスタート/ストップボタン、ギアセレクタースイッチ、BMWコントローラー、パーキングブレーキなどを配置。とても使いやすいレイアウトだ

08. 最大150kWの複合型充電ユニット(CCU)で時短充電が可能!
「BMW iX3」に搭載されている複合型充電ユニット(CCU)は、異なった種類の充電ステーションへの接続が可能なので、とかく気になる充電は迅速快適に行うことができます。交流コンセントを利用する場合、CCUによれば単相で最大7.4kW、三相で最大11kWの充電が可能。直流の高速充電ステーションでは、最大150kWの充電効率が実現可能です。また、ウォールボックスを用いた場合、「BMW iX3」に搭載された高電圧バッテリーは、0%から100%まで7.5時間で充電できるほか、直流の高速充ステーションでは、全容量の10%から80%まで32分以内に充電することが可能です。
筆者は以前から「EVは充電作業が煩わしいのでは?」と、マイナスの先入観を持っていましたが、今回「BMW iX3」を試乗してみて、その先入観は払拭されてプラス側に転じたのは確か。これからもEVはインフラを含め、どんどん進化していくはずなので、まずは試乗などで実際に体験してみることをオススメします。
 

 

モータージャーナリスト / メディアプランナー
小原 裕一郎(Yuichiro Ohara)

ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。

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