06.「SKYACTIV-D 2.2」の静粛性はピカイチ!ガソリンエンジンのようなスムーズな加速が魅力
今回の試乗車には、高性能・低燃費で定評のあるクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D2.2」が搭載されていましたが、このほか「CX-5」には直噴ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.5」と「SKYACTIV-G 2.0」がラインアップされています。
「SKYACTIV-D 2.2」は、緻密な燃料噴射を可能とするマルチホールピエゾインジェクター、理想的な燃焼を支えるエッグシェイプピストンなどの技術を採用し、世界一の低圧縮比14.0を達成。圧倒的なトルクと高回転まで軽快に伸びる爽快なパフォーマンス、高い環境性能を実現したクリーンディーゼルエンジンです。当初の最高出力は190PS(140kW)/4500rpmでしたが、前回のマイナーチェンジで200PS(147kW)/4000rpmに向上されているほか、アクセルペダルの操作力も最適化されており、ディーゼル車ならではの強力なトルクをより緻密に意のままにコントロールできるよう改善されています。
実際に乗ってみると、その静かさと振動の少なさに驚かされます。おそらく予備知識を持たずに乗ってしまうと、「ガソリンエンジン?」と思ってしまう人も多いはず。そんな「SKYACTIV-D 2.2」でひとたび走り出すと、ディーゼルエンジン特有の大きなトルクでどんどん加速していきます。特筆すべきはスピードが乗ってきたときの伸びの良さ。まるでガソリンエンジンのように高回転までスムーズに吹き上がっていくので、低速での悪路走行から高速道路までまったくストレスを感じることなく、気持ち良く運転できること請け合いです。
07.走行シーンに応じて3つのモードを選択可能な「Mi-Drive(ミードライブ)」を初搭載
「SKYACTIV-D 2.2」と組み合わされるトランスミッションは、ダンパースプリングのストロークを拡大し広ねじり角化させた低剛性のロックアップダンパーを採用しています。450N·mの大トルクを支えるドライブシャフトの剛性を確保しつつ、ロックアップダンパーのストロークを延ばしてねじり剛性を最適化。静粛性の向上とロックアップ領域の拡大を両立し、実用域での燃費性能をさらに向上させています。
また、今回のマイナーチェンジでは、走行シーンに応じて3つのモードを選択可能な「Mi-Drive(ミードライブ)」を搭載。日常ユースでは、燃費と走行性能のベストバランスを追求したノーマルモード、郊外のワインディングロードでは応答性を優先して積極的な走りをサポートするスポーツモード、さらにアウトドアシーンにおいて未舗装路などの悪路を走行する際はトラクション重視の特性で高い走破性が得られるオフロードモードを走行環境の変化に応じて、瞬時に最適なモードを選択することが可能です。
今回は2021年11月にマイナーチャンジを実施した「CX-5」のレポートをお届けしましたが、現行型にフルモデルチェンジされた後も毎年のように改良が施されており、今回の大幅改良によって、これまで十分に高かった完成度に、さらに磨きがかかった印象があります。とりわけ、今回試乗した「SKYACTIV-D 2.2」搭載車は、低振動で静粛性が極めて高く、それでいてガソリンエンジンのように伸びやかな加速をしてくれるので、オススメのエンジンといえます。新色の「ジルコンサンドメタリック」も魅力的なので、改めて「CX-5」に目を向けてみるのも良いかもしれません。
ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。