04.人間中心に構築した空間と高い質感を極めたインテリアデザイン
「CX-5」のインテリアは、「REFINED TOUGHNESS=洗練された力強さ」を表現するために「空間」、「フォルム」、「質感」の3つの領域に注力。とりわけ、空間の領域では人間を中心として、乗員を取り巻く構造物のあり方にまで立ち戻ってデザインすることで、すべての乗員が心地よい緊張感と安心感を得られる基本骨格を造り上げています。実際に乗り込んでみると、SUVらしい剛性感と上質さを感じられるフォルムに加え、精緻な仕立てが感じられる質感があり、造りの良さやコストパフォーマンスは同じ価格帯のSUVの中ではピカイチという印象を受けます。
「CX-5」では、ドライバーズシートに乗り込んで自然に足を開いた位置にペダル、腕を伸ばした位置にステアリングホイールをレイアウトしたマツダ伝統の理想的なドライビングポジションを採用。筆者は身長180cmと大柄ですが、ホイールハウスが邪魔にならず、ドライバーの中心線を基準にした最適なペダル配置のお陰で、長距離走行でも首、肩、腰などに余分な負担が掛からず、とても自然で快適に運転することができます。このお陰で操舵フィールもとてもニュートラルに感じられるので、文字通り、人馬一体のドライビングを体感できます。
05. 人間中心を突き詰め、全乗員の居心地のよさを追求したパッケージング
SUVは人や荷物をたくさん積んで遠出をするケースが多いので、シートは重要なファクターといえます。「CX-5」のフロントシートはシートバックにサスペンションマットを採用し、広い面積に体圧を分散できる優れたフィット性としっかりと上体を受け止めるサポート性を実現。また、シートバックの剛性を部位ごとに最適化し、体幹をしっかり支えて上体の横揺れや頭部の移動を抑制しています。座面には新たに高減衰ウレタンを使用し、運転に必要なフィードバックとしての振動は伝えつつ、不快感につながる振動を絶縁して乗り心地を向上させています。一方のリアシートは人間中心の設計思想に基づき、後席乗員が楽な姿勢を取りやすくするため、デフォルトのトルソー角度を24°に設定。そのうえで、28°までシートバックを後傾できる2段式のリクライニング機構が採用されているので、どちらのシートに座ってもゆったり疲れ知らずの印象があります。
シートと並んでSUVの重要なファクターといえるのがユーティリティ性能。505L(DIN方式、サブトランク含む)の容量を確保したラゲッジルームは、定員乗車時にも72型の大型スーツケースを3個、ゴルフバックであれば4個を積載可能。加えて、4:2:4分割のリアシートやラゲッジルームの前後・上下2段式のフロアボードなどを上手に利用することで、とかく荷物が多くなりがちなキャンプなどアウトドアユースでも余裕の積載力となっています。
また、一部のモデルにはオプションで動作音が静かなスピンドルダンパー式のパワーリフトゲートを設定。スイッチ操作でリフトゲートを自動開閉でき、ゲートの開閉はアドバンストキーのスイッチで操作できます。さらに、パワーリアゲートクローズスイッチで開度の調整も可能など、「CX-5」はSUVに求められるユーティリティ性能を高い次元で実現しています。