05.新設定のクリーンディーゼル2.0TDIはレスポンスも力強さも満点!
冒頭でも紹介した通り、新型Q3 Sportbackのパワートレインは従来の1.4TFSIを進化させた新開発の1.5TFSI(35TFSI:1.5ℓ直列4気筒DOHCターボチャージャー付きガソリン)と、新設定のクリーンディーゼル2.0TDI(35TDI:2.0ℓ直列4気筒DOHCターボチャージャー付きディーゼル)の2タイプが用意されています。このうちディーゼルの2.0TDIは、今回試乗したquattro(フルタイム4WDシステム)モデルにのみに設定されており、最高出力は110kW(150hp)、最大トルクは340Nm/1,750~3,000rpmというスペック。最高出力はガソリンエンジンの1.5TFSIとまったく同じですが、最大トルクは90Nmも高くなっており、低速域から太いトルク感が伝わってきて力強さは満点!振動や騒音も低く抑えられており、どの速度域でもレスポンスよくグイグイ加速していくので、荷物をたくさん積んで山坂道を登っていくようなシチュエーションでも力不足を感じることはないでしょう。
クリーンディーゼルの2.0TDIに組み合わされるトランスミッションは、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)方式の 7速S tronic。低速側のギアはクロスレシオに設定されており、スポーティな加速を実現する一方で、高速側のギアはワイドレシオに設定されているので、エンジン回転数の低下と燃費の向上に貢献。S tronicは加速時も減速時も変速ショックを一切感じさせないスムーズさがある一方で、アクセルペダルから足を離すと、多くの状況でコースティングモード(惰性走行状態)を作動させるようになっており、こちらの面からも省燃費に貢献しています。
06.アウディの代名詞quattroドライブならば悪路走行も安心!
今回試乗した「Q3 Sportback 35 TDI quattro S line」は、アウディの代名詞といえるquattroドライブ(フルタイム4WDシステム)を搭載したホットなモデル。エンジンが横置きの新型Q3シリーズでは、前後重量配分を最適化するために、リヤアクスルに油圧アクチュエーターを備えた電子制御のマルチプレートクラッチ(HMPC:ハイドロリック・マルチプレートクラッチ)を配置してあることが最大の特徴で、路面状況に応じて瞬時に前輪/後輪のトルク配分を95:5~50:50の範囲で自動制御する仕組みとなっています。
実際に急勾配やカーブの多い嵐山高雄パークウェイを走ってみると、コーナーに差し掛かるたびに前後のアクスルにトルクを可変配分するquattroドライブは、持ち前のパワーを確実に路面へ伝達していることが実感でき、やはり操縦安定性は抜群!クルマを運転しているとカーブ、上り坂、ダート、ウエット、雪道などさまざまな状況に遭遇しますが、quattroドライブならば、どんな路面状況でも確実に路面を捉えてくれるので、運転することが楽しくなるうえ、常に安心してアクセルを踏み込むことができます。