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【スズキ 新型ジムニーXC 試乗レポート】4WDとしての基本性能を磨き上げながら上質な乗り味を実現

新型ジムニーはマイルドな乗り心地を実現しているが、高速コーナーでもロールは少なく、どんなシーンでも安定した走りを見せる。

 

07 高い静粛性とマイルドな乗り心地は特筆に値する
今回は新型ジムニーを駆って市街地とワインディングロードで試乗しましたが、高い静粛性とマイルドで上質な乗り心地は想定外の収穫で、いい意味で期待を裏切ってくれました。
高い静粛性にはエンジンの静かさも一役買っていますが、やはり新たに採用されたボディ構造の貢献度は大きいでしょう。新型ジムニーでは、ボディの随所にサイレンサー(吸音材・遮音材)と透過音低減のための構造を施してあり、嬉しいことにこれらの効果が明確に体感できます。
一方でマイルドで上質な乗り心地も特筆に値するポイント。ジムニーといえば、高いオフロード性能を確保するために短いホイールベース、大口径の4WD専用タイヤ、やや硬めのサスペンションなどが採用されてきました。このため、従来のモデルでは普通に走っていてもポンポン跳ねるため、街中で乗る場合も一定の覚悟が必要でした。
しかし、新型ジムニーは従来のスタイルを踏襲しながら、見事なまでにマイルドで上質な乗り味に変貌しています。こうなるとワインディングロードでのロール特性が心配になりますが、ハイスピードでヘアピンカーブに侵入してもボディはほとんど傾くことなく、スムーズにラインをトレースすることができます。いずれにせよ、新型ジムニーは前述の静粛性を含め、日常の足として女性にも安心して勧められるレベルに仕上がっていることは確かです。
 

ボディの随所にサイレンサー(吸音材・遮音材)と透過音低減のための構造を施して静粛性を高めている。出典・スズキ(株)「ジムニーWEBカタログ」より

 

08 空前の大人気で納車は半年待ち?
新型ジムニーは20年ぶりにフルモデルチェンジしたこともあって、自動車専門誌以外に経済誌や情報誌にも取り上げられており、これも手伝ってか空前の人気となっています。今回の試乗車をお借りしたスズキアリーナ京都西の担当者の話では、「今ご注文いただいても納車は来年の3月になりそうです(2018年8月時点)」とのこと。この過熱ぶりを見ると、いかに多くの方が新型ジムニーの登場を待ち望んでいたのかがわかります。
本稿でも紹介したとおり、新型ジムニーはプロの道具としてはもとより、積雪地帯における移動の必需品としても、アウトドアなどのレジャー用としても、街乗り用としても楽しく便利に使えるオールパーパス・ビークルです。これを機にお近くのマツシマ(スズキアリーナ京都西)で試乗をしてみてはいかがでしょうか?
 

リアは伝統の横開きゲート+スペアタイヤのフォルムを継承。スパルタンで飽きのこないデザインだ。

 

モータージャーナリスト / メディアプランナー
小原 裕一郎(Yuichiro Ohara)

ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。

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