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スズキ アルト HYBRID S 試乗レポート

今回の試乗車「新型アルト Hibrid S」はマイルドハイブリッド搭載車。モーターで加速をアシストしてくれるので、軽自動車No.1の低燃費(27.7km/L)を実現している <出典:スズキ>

 

05.経済性と力強い加速を両立させるマイルドハイブリッドシステムを搭載
今回試乗した「新型アルト Hybrid S」には、低速から中高速までの実用速度域で優れた燃費性能と軽快な走りを実現するR06D型エンジンと、ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムが搭載されています。このシステムは発電効率に優れたISGにより、減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電。その電力を生かして、加速時にはモーターでエンジンをアシストし、さらなる燃費の向上に貢献するというスグレモノです。これにより、WLTC モード燃費では軽自動車トップの27.7km/Lを達成し、軽自動車初の2030年度燃費基準95%達成でエコカー減税(重量税)を獲得しています。
また、「A」と「L」はマイルドハイブリッドシステム未搭載ですが、低燃費と力強い走りを両立するR06A型エンジンに加え、減速時のエネルギーで発電・充電し、無駄な燃料消費を抑える「エネチャージ」を採用。発電によるガソリン消費を最小限に抑えるとともに、エンジンへの負担を軽減して軽快な走りにも貢献しています。
 

実際試乗してみると、これらのシステムと車重が710kgと軽量ということもあって、急な登坂やカーブが続く嵐山-高雄パークウェイのようなワインディングでもストレスなく加速をしていきます。この力強さがあれば、市街地で人と荷物をたくさん積んだ状態でも後続車を気にせず、気持ち良く走ることができるでしょう。
一方の足回りは、フロントスタビライザーが未装着にも関わらず、軽量・低重心設計のお陰でロールも少なく、タイトなコーナーでも安心して運転することが可能。加速時はR06Aエンジン特有の軽やかなエンジンサウンドがわずかに聞こえてきますが、ロードノイズや風切り音は低く、静粛性も十分高いレベルといえます。
 

06.ハッチバック車でありながら豊富な収納と使い勝手の良い装備を搭載
最近の軽自動車は小物入れやトレイ類が充実していて、とても使いやすいことが特徴ですが、「新型アルト」もさまざまな工夫がなされています。例えば、新設のインパネトレー(助手席)やフロアコンソールトレー、インパネドリンクホルダー(運転席、助手席)をはじめ、大型のスマートフォンも収納できるインパネセンターポケットなど、ドライバーから手の届く位置に豊富な収納スペースを設置。使い勝手にこだわってドライブに役立つ収納を豊富に装備しており、充実した収納力を誇るトールワゴンと比べても見劣りしない造りとなっています。
 

軽自動車を愛用する多くの女性にとって、箱型ティッシュの置き場所の有無はクルマ選びの大きなポイントになっているが、「新型アルト」ではフロアコンソールトレーに収納できるスペースが確保された <出典:スズキ>

 

07.充実した安全機能を装備していながらリーズナブルな価格設定が嬉しい
今回は2021年12月にフルモデルチェンジを受けた「新型アルト」の試乗レポートをお届けしましたが、誰もが安心して気軽に乗れるデザイン加え、マイルドハイブリッドによって経済性と力強い加速を両立させており、日常の足として使用するには打って付けのクルマといえます。さらに、充実した安全機能を標準装備していながら、価格は最上級グレードの「Hibrid X(全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車)2WD」で137万円台~、今回試乗した「Hibrid S(LEDヘッドライト装着車)2WD」ならば115万円台~とリーズナブルな価格設定は大きな魅力。物価やガソリン価格が高騰している現在は、「新型アルト」のアドバンテージはより高く感じるはずなので、ハッチバックタイプの軽自動車の購入を検討している方には、特にオススメできるクルマといえるでしょう。
 

「新型アルト」は経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーSワイド」、国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS2)認定車」、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」 に該当するなど高い安全性能を持っているので、日常の足としてはもちろん、レジャーなど遠出の際も安心して使用できる

 

 

モータージャーナリスト / メディアプランナー
小原 裕一郎(Yuichiro Ohara)

ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。

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