世界に1台
今回のテストはこれまでと一味も二味も違います。なにせ世界に1台しかない車だからです。伝統工芸とカーライフの融合を掲げるKiwakotoが手掛けたクラフトカー。
このクルマはシートとフロアマット、ドアミラーとドアハンドルがスペシャル仕立てとなっています。
シートは竹林をイメージ
シートは竹林をイメージした水墨画を京都レザーの上質な革で仕上げたものです。見た目のインパクトは抜群です。外から見てもキラキラしています。はじめは車内に腰かけても落ち着かない感覚がありましたが、1週間も乗っていれば、なじんでくるのが摩訶不思議です。
ドアミラー、ドアハンドルは蒔絵
ブラックのボディーカラーにピタリと合うミラーと取っ手の蒔絵。ここは最も京都らしいかもしれません。もちろんピカピカに磨きあげてキラキラ輝かせるのも美しいですが、少し輝きが抑えられた状態もなんとも渋くてかっこいいんです。少なくとも2か月に1回ぐらいは磨いてください。とのことですが、どちらも味があっていいですよ!
マシンは極上
X3 20dは現代のトレンドのど真ん中を行く車で、背が少し高いSUVでクリーンディーゼルを搭載し、ボディサイズも扱いやすい手ごろなもの。どちらかといえば判官びいきな私の感覚では「そりゃ人気だからいいかもしれないけど…」と若干、斜めから入ったのですが、運転してみると「なに!これ!めちゃめちゃいい!理想的かも!」とすぐに手のひらを返してメロメロになってしまいました。広い室内空間は家族からも好評。トランクスペースも広いので荷物もたくさん詰めます。ディーゼルエンジンはトルクがあって力強いのに静か。燃費も私がこれまで乗た500キロぐらいの平均で13キロと財布にも優しい。背の高いクルマにありがちな不安定感はなく乗り心地も上々。と書いていると「非の打ちどころがないじゃないか?」と思うのですが、ほんとにないんです! 少しの間になりますが堪能したいと思います。
世界に1台、あなただけのためのクラフトカー
「クルマはあくまでも、快適に暮らす道具、クルマに乗らないといけないわけではないぜ、いえ~い♪」という奥田民生さんの「and I love car」という曲がありますが、続きがあります。「だけど好きなんだ!いいだろ?こんなにも愛しているよ♪」。まさにKiwakotoのクラフトカーは、こんな思いでクルマと接している方にぴったりだと思います。
世界中のブランドのクルマは差別化が難しくなってきています。個性がなくなっているとも言われています。安全性や便利さを追求すると似通った形になるのは致し方ありません。
でも「ほかの人と同じではおもしろくない!」そんな方にお勧めです。シートだけでも、ミラーだけでもこだわりの装飾を施して、自分らしく走る! そんなクルマがたくさん走り出せば京都の景色も変わってくると思います。世界に通じる京都の伝統技術を日常のカーライフのなかで満喫する。Kiwakotoのクラフトカーを力いっぱい応援したいと思います。
1977年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。2000年KBS京都にアナウンサーとして入社。入社2年目からは報道記者を兼務し、事件、政治、教育、大学担当などを歴任。25歳でニュース番組のメインキャスターを担当し「現場で取材し責任をもってニュースを伝える」スタイルを確立。現在はニュースの編集責任者=ニュースデスクも務める。国政、府政などの選挙特番の司会、構成も手掛け、京都の政治、経済の現場を幅広く取材中。クルマ、ゴルフ、料理好きの3人の子どものパパの両面を併せ持つ。