週末にクルマ愛好家が集まり、駐車場がモーターショー会場に
京都市街から北西に数十分の便利な場所に、全長10.7kmの有料道路「嵐山-高雄パークウエイ」があります。嵐山側の入り口「嵐山・清滝口ゲート」は観光地の嵐山からすぐ北にあり、高雄側の「高雄口ゲート」は太秦から国道162号を6kmほど北上したところにあります。
有料道路といえば、たとえば六甲山にはいくつか有料道路が走っていますが、目的地に早く便利に行くための交通手段としてつくられた道路がほとんどでしょう。嵐山-高雄パークウエイは、名前に「パーク」と入っている通り、この道路自体が目的地として、ここで楽しい時間を過ごし、遊ぶことができる道路なのです。
自然の中を走る道路は常に整備されて走りやすく、春には桜やミツバツツジ、夏は木々の緑 秋には紅葉に彩られた道路を、ゆっくり何往復もドライブできます。コース内には飲食店もいくつかあり、そのなかでも「小倉山cafe」は、手作りメニューと同時に、京都市内の眺望、保津峡や愛宕山の景色を楽しめる人気のカフェです。
展望台が4カ所あり、京都市街、保津峡、愛宕山などが一望できます。特に「保津峡展望台」は、鉄橋渡る嵯峨野トロッコ列車を見下ろせ、鉄道ファンに人気の場所です。
子供と遊べる観空台遊園地をはじめ、関西最大級のラジコンサーキット、屋根付きバーベキュー場、本格的なルアーフィッシングが楽しめるフィッシングエリア、四季折々の花が観賞できるフラワーパーク、愛犬といっしょにのびのび遊べるドッグランなど、一日楽しめるレジャー施設がたくさんあります。
〉〉小倉山cafeを紹介した記事はこちら
https://foresight-web.jp/kyodekake-vol73/
ここ「嵐山-高雄パークウエイ」は、関西でも有数の、クルマ愛好家があつまる聖地にもなっています。コース内にある9カ所の駐車場のうち、高雄大駐車場、菖蒲谷池大駐車場、小倉山駐車場では、週末になると色々なグループが、クルマのファンミーティング(オフ会)を開催しています。
マツダロードスター、空冷Volkswagen、水冷Volkswagen、スーパーセブン、軽トラ・軽ハコ、BMWなど、メーカーや車種を限定した会から、テーマを決めて集まる会など、様々なミーティングがあり、多いときは400台以上が集合します。珍しいクラシックカーやスーパーカーなども含めて各地から様々なクルマが駐車場に並び、さながらモーターショーです。そのクルマを見るために多くのギャラリーも集まります。
このようなミーティングのなかで、10年以上の長い歴史を持つ「高雄サンデーミーティング」があります。2020年7月の開催で119回目。毎月第2日曜日の8:00から11:30、高雄口ゲートから入ってすぐの「高雄大駐車場」がメインの会場で、時には「小倉山駐車場」で開催されています。暑い8月と、寒い1月・2月はお休み。
ヒストリッックカーが中心となるミーティングですが、ノンジャンルでどんな車でも参加OKの回もあったり、時にはフランス車やアメリカ車がメインテーマになったり、ヤングタイマーだったり、オープンカー特集、赤いクルマ特集など、その月ごとのテーマを決めることで参加者と来場者を飽きさせないようにしています。
2020年のテーマは
6月 ヤングタイマー ノンジャンル
7月 箱車&ステーションwagon
9月 ドイツ車
10月 フランス車
11月 オープンカー&イタリア車
12月 アメリカ車
※ いずれも変更の可能性あり
高雄サンデーミーティング(TSM)を主催する清水倫正さんは、約15年前東京から京都に帰ってくるにあたり、昔からのクルマ友達が待ち受けていて、さあ遊ぶぞとなり、関西の車ミーティングを見に行きました。そこでは、ただの駐車場に色々なクルマが三々五々集まって、道中の道路は渋滞、なにか寂しさを感じたそうです。そこで、京都で楽しい理想的なイベントをやりたいと仲間からも話が上がり、高校生の時からバイクで走っているこの「嵐山-高雄パークウエイ」のロケーションが最高ということで、一度開催してみたのがはじまりです。当初は20台ぐらいだったのが、いまでは京都だけでなく各地から参加し、最大350台以上集まる大イベントとなりました。
嵐山-高雄パークウエイの魅力を清水さんに伺うと
「嵐山-高雄パークウエイは、素晴らしいドライブウエイの中に風光明媚な場所があって、終わった後に走って色々なところに行ける、最高のロケーションです。高速道路を降りてからもアクセスしやすく、ここへ来るまでのドライブを楽しめます。遠方から来た人のなかには帰りに嵐山や京都市内を観光する人もいますし、はたまた早く帰って町内会の行事に参加する人もいます。日曜日の朝の限られた時間に有意義に楽しむため、ミーティングの開催時間は朝8時から11時半にしました」
車のイベントによっては、高級車やスーパーカーなど目立つクルマが一番良い場所に置かれてというようなことがありますが、高雄サンデーミーティングでは、古いクルマを大切に持っているそういう方を大事にしたいというのがこの会の主旨。毎回のテーマに合わせて、公平にクルマを並べます。11時になると、その回のConcours d’ Elegance(エレガンスコンテスト)の入賞を発表します。受賞者には、特製のトロフィーを贈呈。
「モータージャーナリストの西川淳さんが来ている時は、ご本人も審査と授賞式に参加します。時には、昔のレーシングドライバーにゲストとして来てもらうこともあります。100回記念の時は、日本の工業デザイナー・カーデザイナーのKen Okuyama(奥山 清行)さんを招聘、Ken Okuyamaが過去にデザインした車、GMからポルシェから、フェラーリーに集まってもらいました。Ken Okuyamaがデザインした車がダーンと並んで、さらにヤンマーからはKen Okuyamaデザインのトラクターまで持ってきて、一大イベントとなりました」
清水さんには、高雄サンデーミーティングを開催するもう一つの目的があるそうです。
「古い車が好きで、個人で持っている人はたくさんいるんです。たまに走りに行って、壊れたら壊れっぱなしで家に10年も20年も置いているという方もいっぱいいます。このミーティングを一回見に来たのがきかけで、もう一度走りたいという気持ちになって、車を直してミーティングに参加して頂きたいです」
高雄サンデーミーティングでは、毎年6月に雑誌のTipo(ティーポ)と共催で「ヤングタイマー」特集を開催しています。ヤングタイマーというのは、いわゆるクラシックカーやヴィンテージカーと呼ばれる領域までには至らないクルマのことで、80年代・90年代の車の特集です。
「年代によっては90年前後に青春を過ごした人は90年前後の車が好きで、その年代の車を手に入れて、一生懸命維持している人もいます。そのために、年に1回ヤングタイマー特集ということで、80年代90年代のメインにフィーチャーして、イベントを開催しています。そうすると日本全国から色々なヤングタイマーが集まります。輸入車でいうと、ランチャーデルタインテグラーレ、ランチャーテーマ、アルファロメオ164、フェラーリ308などスーパーカー世代が好きそうな車から、ベンツ124のワゴンやセダン、シトロエンのCX、BX。特にこの時代の大衆車は、コンディションの良いのが残っていないんです。だけど好きな人はそれを持っていて、大切にしているので、300台以上集まります」
珍しいクルマが数多く集まり、ただ見学するだけでも楽しいイベントです。
毎月第2日曜日に、嵐山-高雄パークウエイで開催されています。
高雄サンデーミーティングの情報
〉〉ブログ
http://takaosundaymeeting.cocolog-nifty.com/
〉〉Facebook
https://www.facebook.com/tsm.jpn
嵐山-高雄パークウエイは、京都市西部にある全長10.7kmのドライブコース。美しい景観を楽しめる展望台だけでなく、遊園地、季節のお花をゆっくりと観賞できるフラワーパーク、雨の日でも楽しめる屋根付きのBBQ会場、自然の中にあるドッグランなど、レジャー施設も充実。カップル、ファミリーなど幅広い年代が楽しめます。
075-871-1221
京都府京都市右京区梅ヶ畑檜社町11番地
営)■4月~10月 8:00~19:00(入場は18:00まで)
■11月 8:00~20:00(入場は19:00まで)
■12月~3月 9:00~18:00(入場は17:00まで)
休)年中無休
This is the Kyoto way Vol.04 「異文化に、 忍びこめ。145年続く茶筒の老舗 開化堂」
京、でかけよう。vol.83 〜送り火の「大」の字に登って京都市内を一望