京都の街並みを一望できる観光スポットはいくつかありますが、車で手軽に行けて、ゆったり過ごせる穴場があります。
京都の東山山頂にある「将軍塚青龍殿(しょうぐんづかせいりゅうでん)」は、2014年に移築再建された寺院で、同時に京都市内を一望できる木造の大舞台が新築されました。
巨大な舞台は、市街地より200m程高い位置にある青龍殿の北側に突き出すように築かれ、有名な清水寺の舞台の4.6倍(1.046平方メートル)の広さがあります。
将軍塚の展望台というと、青龍殿のすぐ近く、東山山頂公園の京都市営展望台(無料)が有名ですが、青龍殿は拝観料を払ってでも価値ある眺めです。
大舞台からは平安神宮の大鳥居、京都御所、鴨川などの京都の有名観光地を見渡すことができま、京都の地理をより深く理解するには、大変役に立つスポットとなっています。
大舞台から右側に延暦寺のある比叡山、五山送り火の大文字。
右下には「南禅寺」。
山から少し離れて緑が深い部分は「金戒光明寺」で、その下には「平安神宮」の鳥居。
少し視線を左上に移すと、賀茂川と高野川が合流する逆三角形のエリア「鴨川デルタ」と「上賀茂神社」。
さらに左にある大きな緑地が京都御所がある「京都御苑」。
将軍塚青龍殿には、もう一つの展望台「西展望台」があります。
大舞台はから少し離れて、階段を上がったところにある西展望台は、南西側に面しているため、大舞台とは違った角度でパノラマが広がります。
展望台から右側は、大舞台から見た京都の中心部。
西展望台から左の方を望むと、京都タワーと京都駅。さらに左には、久御山の高速道路、その奥には枚方、そして天候が良ければ大阪の高層ビル群や「あべのハルカス」までも遠望できます。
青龍殿には、大舞台と展望台だけはなく、歴史的な見どころがあります。
境内には「将軍塚」と呼ばれる、直径約20mの小高い丘があります。
これが「将軍塚」と呼ばれる由来を簡単に説明すると、
781年に即位した桓武天皇(かんむてんのう)は、784年に平城京から京都の長岡京に都を移しますが、飢餓や疫病等の様々な災難に見舞われました。そこで、桓武天皇は794年に平安建都に着手します。そして、都の安泰を祈願し、将軍の土像に甲冑を着せ、弓と刀を持たせてこの塚に埋めたということです。
そもそも青龍殿は、大正2年(1915年)、大正天皇の即位を記念して「大日本武徳会京都支部武徳殿」として京都北野天満宮前に建立されました。和洋折衷という大正時代建築の特徴を示す木造大建造物で、歴史的価値の高い建造物です。
戦後は、京都府警察の武道場となり「平安道場」と改称し、1998年(平成10年)まで52年間使われました。その後、老朽化により解体が決定していたのですが、青蓮院が譲り受けて、東山山頂の将軍塚に移築再建しました。
この青龍殿には、平安時代の中期の製作とされ国宝に指定されている「青不動明王二童子像」通称「青不動」が安置されています。国宝本体は奥殿に安置されていますが、手前に精巧に製作された複製をお祀りし、いつでも参拝が可能となっています。
〒607-8456 京都市山科区厨子奥花鳥町28
拝観時間) 9:00~17:00
拝観料) 大人500円、中・高校生400円、小学生200円
※30名以上は団体料金
http://www.shogunzuka.com/