全く新しい価値観に出会える
定期的に変わっていく長期テスト車。前回のBMW X3が予想外に早く退役したので、次のテスト車は突然決まりました。A8と告げられた時は正直、息が詰まってしまって、「わ、わかりました。」と平静を装って答えました、、が、正直ビビってました(笑)
A8と言えばAudiのフラッグシップモデル。車体の大きさは最大級。考えうる最新で最高の装備を詰め込んだ走るショーケースです。そんなクルマと長い時間を共に過ごすことができる。クルマ好きとしては最高の経験なのですが、ブログや動画を通じてみなさんに情報発信する立場としては、これほどプレッシャーがかかる仕事はありません。しかも、このA8、2018年に登場した4代目ですが、ネットを駆使して過去の記事や動画を調べまくりましたが、記事の本数が圧倒的に少ないんです。日本市場では、このクラス、メルセデスSクラスが圧倒的な販売台数を誇っていて、BMW7やAudi A8はドイツ御三家とはいうものの、台数ベースでは競争できていないというのが現状です。ではA8にはクルマとしての魅力がないのか?さにあらず!!
ということで、今回の長期テストでは仕事にプライベートに様々なシーンでA8を試し、日本で一番詳細なA8試乗記を展開していくことをここに宣言します!!
そして、A8に乗ることで自分の内面もどう変わっていくのかリポートしていきますので、最終回までお付き合いください。
研ぎ澄まされる感覚とやすらぐ感覚の両立
初対面の白いボディーは、ザ・フラッグシップ!!という威圧感はなく、優しく洗練されたイメージです。確かに5m18㎝の長さ、1m94㎝を超える幅はとんでもなくデカい!ですが、美しいボディラインはAudiならではで、世界一のプレス技術を駆使して、見えそうで見えない、でも見えるという絶妙なプレスラインが濃淡をつけながら入っているので見飽きることはありません。ライバルに比べて圧倒的にドギツクナイ。スッキリ、クリーン、でも品質の高さをそこはかとなく感じることができます。上品な子なんです♡
インテリアは、先進技術のショールームといった様子で、物理的ないわゆる「スイッチ」がほとんどありません。タブレットのような面を触ると普通は手応えがないのですが、しっかりクリック感がブルっあります。ハプティックというそうです。不思議だ~! でもこれは新しい高級感。シートや手を触れるドアの内側、ひじ置きなどは革と木とスエード調で洗練された安心感。エアコンの吹き出し口は、エンジンのスタートボタンを押すと、ゆっくり滑らかにふたが開くように出てきます。メカ好きにはたまらない!毎回感動します。
ちょっと緊張するぐらい先進的なインテリアなのですが、ダイアモンドステッチが入った革のシートに座ると感触は柔らかくて、細かい調整が可能なことから、自分が包み込まれているような、ぴったりフィットしているんだけど、なんとも言えない心地良さがあります。
このクルマと自分だけの道を切り開く
装備を紹介するだけで3回分ぐらいはあるので、今回は第一印象のみにします。
まず走り出して感じたのは「デカっ!」。でも3日で慣れました。カメラは全方向についていますし、壁などに接近するとピ~っと警報音で教えてくれるので(これは正直鳴り過ぎて段差などでもなるので段々無視するようになってしまうので気を付けたほうがいい)、よほどのことがなければぶつける心配はないと思います。最初は大きすぎる!と感じていたものの、運転感覚を身に着ければ躊躇なく狭い道にも入っていけるのが不思議なところ。やはりクルマと人との一体感が高いからなのでしょうか。
乗り心地は想像以上に柔らかく優しいです。A8は先代と先々代に乗ったことがあったのですが、どちらもアルミのスペースフレーム(要するに総アルミ製です)から来るガチっとした剛性感と軽さ、コツコツと路面の状況を正確に伝えてくる印象だったので、今回の柔らかさは一番びっくりしました。もちろんスポーツモードにすると乗り心地は引き締まり、ドライバーとの一体感も増すので一人で運転するときはこのモードにしていますが、家族やスタッフを乗せるときは[Auto]か[Comfort]にしています。フワッとした浮遊感すら漂う感覚に同乗者の評価も上々です。
まだ馴染んだといえるほどではないですが、A8には同じセグメントのライバルたちとは全く違う独特の魅力があります。「かっこいい」「乗り心地がいい」「スポーティ」という言葉で簡単に説明できれば良いのですが、もっと奥深い、なんともいえない魅力がこのクルマにあることはわかりました。次回以降、しっかり言語化していきたいと思いますし、様々なシチュエーションでの使用感もお伝えしていきたいと思います。
テスト中のモデル
———— Audi A8 55TFSI quattro ————
全長x全幅x全高 5,180×1,945×1,470mm
ホイールベース 3,000mm
トランク容量 505リットル
定員 5名
駆動方式 quattro(4WD)
——— 性能 ———
燃料消費率 JC08モード 10.5km/ℓ (国土交通省審査値)
主要燃費向上対策 48Vマイルドハイブリッド
最小回転半径 5.8m
トランスミッション 8速ティプトロニック
サスペンション アダプティブエアサスペンション
——— エンジン ———
種類 V列6気筒DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量 2,994cc
最高出力 250kW〔340ps〕
最大トルク 500Nm〔51.0kgm〕
燃料タンク 82リットル
———— メーカーオプション ————
<スポーツパッケージ>
スポーツエクステリア、コンフォートスポーツシート
<アシスタンスパッケージ>
フロントクロストラフィックアシスト、アダプティブウインドウスクリーンワイパー、センターエアバッグ
<コンフォートパッケージ>
リヤ電動シート、コンフォートヘッドレスト、リヤシートヒーター、リヤサイドシートランバーサポート、フロントベンチレーションシート、4ゾーンデラックオートマティックエアーコンディショナー、トランクスルー機能、パワークロージングドア、マトリクスLEDインテリアライト、リヤシートリモート、ミュージックインターフェースリヤ
<HDマトリクスLEDヘッドライト>
アウディレーザーライト、OLEDリヤライト
1977年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。2000年KBS京都にアナウンサーとして入社。入社2年目からは報道記者を兼務し、事件、政治、教育、大学担当などを歴任。25歳でニュース番組のメインキャスターを担当し「現場で取材し責任をもってニュースを伝える」スタイルを確立。現在はニュースの編集責任者=ニュースデスクも務める。国政、府政などの選挙特番の司会、構成も手掛け、京都の政治、経済の現場を幅広く取材中。クルマ、ゴルフ、料理好きの3人の子どものパパの両面を併せ持つ。