ほとんど同じクルマ。でも全然違うクルマ
長期テスト企画第2弾は、BMW320i Xdrive M sport になりました。
これまではBMW320i Msport。ほぼ同じ……何が違うのか?
Xdriveという名前がついています。Xdriveとは、BMWが用いる四輪駆動を表す言葉です。
長期テスト第2弾は、第1弾のクルマが四輪駆動になっただけ!なんです。
しかし、なっただけというなかれ! 色も同じ、形も同じ、エンジンも同じ、内装も同じなんですが、全然違うクルマに仕上がっているのが、長期テストならではの面白さです。
そこで今回は12月末にやってきた四輪駆動の320を1000キロ走らせたファーストインプレッションをお伝えします。
乗り心地が良くなってる!!
Xdriveを走らせた瞬間に感じたこと。それは「お~、乗り心地がいい!しっとりしていて高級車の風格だ」と思わず一人で声を出し
てしまいました。
その理由ももちろん同時に理解できました。それはクルマの重量です。FRの二輪駆動に比べXdriveは80㎏重いのです。昔から「クルマは重いほうが乗り心地が良い」といいます。その通りでした。路面の凸凹もしなやかにいなしてくれて、なんとも上質です。
二輪駆動と四輪駆動の差をこれほどじっくり直前直後で比較したテスターはいないと思いますので、この長期テストは貴重です(笑)
遅くなってる……
同じ出力のエンジンを積んでいるので、当たり前ですが、軽いクルマのほうが早く、重いクルマは遅くなります。「遅いな~!」とは思いませんが、どうしてもアクセルを踏む幅が大きくなります。おのずと燃費は悪化。FRの320iはリッター12~14キロ走りましたが、Xdriveは10~12キロぐらいです。10%から15%の低下でしょうか。
確かに数字で見れば低下していますが、その差は微々たるものといってもいいでしょう。
予想外の安心感 Xdriveの恩恵は大
Xdriveを走らせてすぐわかることはまだあります。乗り心地の良さとともに、安定感の高さを感じます。これは常に駆動力を前輪に40%、後輪に60%かけているからです。FRの場合はもちろん前輪0%、後輪100%です。FRは前輪は操舵のみ、後輪は駆動のみと完全に分かれているので、機敏な動きとクリアな感触を楽しむことができます。一方、Xdriveは後ろから押されている感覚とともに前から引っ張られている感覚もあります。前から引っ張られることで直進性が高くなり、ハンドリングの安定性は高まります。
冬には心強いXdrive
真冬に入って雪がうっすら積もったり、路面が凍結したところを通ることもありました。
FRの場合はかなり気を使いながらクルマの姿勢が崩れないように運転する必要がありますし、そもそも雪が降ったり凍ったりしたときにはハンドルを握らないという選択が正解です。
しかし、雪が降っても凍っても大雨が降っていても、移動手段としてクルマを必要としている人もいます。そんなときに安心してしっとりした良い乗り心地で目的地まで送り届けてくれるのが、この320i Xdrive Msportなのです。
これからは四輪駆動の時代がやってくる!
FRが有名なBMWですが、ラインナップの中でXdriveがどんどん増殖しているのをご存知ですか? 特に大排気量で大パワーのクルマは後輪だけで駆動力を受け止めるよりも、四輪に分散したほうが、効率よく駆動力を伝えられますし、クルマの安定感をプラスすることができます。これまでは、四輪駆動で駆け抜ける歓びを表現するのが技術的に難しかったのは事実です。しかし、前後の駆動力を可変させられる技術が開発されセッティングの幅も広がったことで、四輪駆動でも駆け抜ける歓びを感じることができるようになりました。
しかも、四輪駆動のセダンは今は非常に珍しい存在です。
また長距離を走ることでその良さが際立つクルマだと思います。
次回のブログでは長距離ドライブの試乗記をお届けします!
1977年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。2000年KBS京都にアナウンサーとして入社。現在はニュースの編集責任者=ニュースデスクも務める。国政、府政などの選挙特番の司会、構成も手掛け、京都の政治、経済の現場を幅広く取材中。クルマ、ゴルフ、料理好きの3人の子どものパパの両面を併せ持つ。
MY CAR LIFE Vol.11「BMW M850i xDrive(4WD/8AT) 試乗速報」
MY CAR LIFE Vol.13 「長期テスト2 BMW320i Xdrive M sport 第2回」