京都最古の禅宗寺院でアートにふれる〜その1〜
京都随一の繁華街・祇園に広い境内をもつ、京都最古の禅宗寺院・建仁寺。ここでは、戦国時代末期から現代美術に至るまで、様々な芸術作品にふれることができます。
拝観可能な本坊では、生きた日本画とも言える枯山水など、空間そのもので物事を表すいくつもの庭と、風神雷神図屏風や障壁画を間近で見ることができます。
本坊にあがりまず目にするのが、◯△□でこの世・地水火風空を表す「◯△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)」。◯が水を表し中央の木の根元、△は火で庭の端、□は地を表し写真奧に映る井戸。残る風と空がどこにあるかというと…?
大書院に鎮座する力強い「風神雷神図屏風」は必見。
◯△□の庭から、瑞々しく光溢れる庭を渡り書院の最奧、大書院へとむかいます。
大書院に鎮座する俵屋宗達作「風神雷神屏風」。向かって右に風神、左に雷神を配した金箔張りの二曲一双。1800年代に建仁寺に奉納された風神雷神屏風は、国宝に指定され京都国立博物館で厳重に保存されているため、通常ここに展示されているのは、日本の文化財の保護とその美しさを後世へ伝えることを目的とした、キャノンの「綴プロジェクト」で新たに生まれた複製品です。
複製品とはいえ、半分だけで6億画素という最先端の撮影技術と出力技術、そしてそこに伝統工芸師の技をかけあわせた、オリジナルに限りなく近い新たな作品なのです。その精巧さは、プロの学芸員であっても3m離れると本物と区別がつかないといいます。
本物は全面に金箔を貼った上に絵の具で描かれていますが、こちらは出力した後に伝統工芸師が粉状にした金箔をのせているのが、本物と唯一違う点。
ガラスから屏風絵までは1m足らず。額をガラスにくっつけるようにまじまじと眺めても、そこにあるのがプリントだとは思えないほど。双雲が描く際に立体感を出すための手法として用いた、絵の具の厚みさえ感じることができます。
風神の眉毛をよーく見てみてください。厚く塗られた絵の具が劣化し、剥がれ落ち下にある金箔が露わになっていませんか?
075-561-6363
京都市東山区大和大路通四条下る小松町
拝観時間) 3/1〜10/31は10時〜16時30分(17時閉門)、
11/1〜2/28は10時〜16時(16時30分閉門)
拝観料金) 一般500円、中高生300円、小学生200円、
小学生未満無料
※詳細はHPでご確認ください