老舗甘味処が手がける新感覚の和スイーツに出会う。
1972年創業の甘味処「梅園」の3代目・西川葵さんが2016年にオープンした新感覚の和菓子店「うめぞの茶房」。中心部とは違う京都を知って欲しいと、繁華街から離れ、日常の暮らしが残る西陣・鞍馬口に店を構えました。
西川さんが幼い頃、お店の餡子と果物を一緒に食べていたという経験からヒントを得て生まれたのが、ここだけで味わうことができる「かざり羹」です。白餡やこし餡に、果物やカカオなど素材を組み合わせた、和と洋の素材がさりげなく調和した洋菓子のようなスイーツ。餡をわらび粉と寒天で流し固め、水羊羹のようなみずみずしさと、もっちりとした食感をあわせもつ独特の口あたり。餡のやさしい甘味の中から素材の香りが溢れ出します。
レトロなショーケースの中には、常時10種類ほどの色とりどりのかざり羹がならびます。
和菓子で最も重要な「季節感」を大切に、トッピングの色味や味のバランスを整えるのは、さすが和菓子職人のなせる技です。
生クリーム、ほうじ茶、ドライライムが飾られた「レモン」は、ほのかな酸味が広がる爽やかな一品。こしあんにブルーベリーをあわせた「ブルーベリー」は白餡、カシューナッツ、クルミ、ディルが飾られています。
ハーブや香辛料という意外な素材をプラスすることで、風味に奥行きが生まれます。
2階の茶房でほっとひといき。
築100余年の町家をリノベーションした店舗2階は茶房になっており、厳選したこだわりのお茶や珈琲とともに、ゆっくりと味わえます。
いたるところに散りばめられた店主の想い。
石川県の作家・岩崎晴彦氏が作るぬくもりのある陶器、上田真理子さんの真鍮のカトラリー、店内に流れる内田輝さんのやわらかなBGM…。店を彩るそのどれもが、店主西川さんの審美眼にかなったものばかり。
お店で使用しているものと同じものを販売しているので、かざり羹と一緒にお店の空気まるごと持ち帰ることができます。
和菓子をいただくのにぴったりのカトラリーや、その小さなカトラリーに合わせたオリジナルの少し小さな箸置きを、かざり羹と合わせてお土産にするのも気が利いていますね
075-432-5088
京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
営) 11時〜18時30分(LO18時)
休) 不定休
※詳細はHPをご確認ください
“DROP IN ON THE WAY” おとなの寄り道 信楽へ、春を迎えに。
京、でかけよう。vol.30 〜お寺の境内から、京都カルチャーを発信。D&DEPARTMENT KYOTO<その1>〜