凛とした空間の中で、茶のこころに触れてみる、無心に土を捏ね、かたちづくる。
日々の喧騒を離れ、自分を取り戻す贅沢な時間を手に入れに、車を走らせてみませんか。
京都市内から車で約1時間。新名神高速道路・信楽ICを下りた滋賀県甲賀市信楽町。古くは聖武天皇が「紫香楽宮」という優雅な名の都を置いた歴史あるこの地は、四方を山に囲まれるため、季節の移ろいがより美しく鮮やかに感じられます。また日本六古窯のひとつ、「信楽焼」の産地としても知られています。
「楽入陶房 壺中庵」。国道307号線を折れて細い路地を進むと、趣ある門構えが訪れる人を迎えます。ここが特別な時間と空間への入り口。一歩足を踏み入れれば、手入れの行き届いた中庭には、茶室「壺中庵」が静かなたたずまいを見せています。
保庭楽入さんは、信楽焼の窯元「楽入陶房」の当主として作陶に励む傍ら、日本の伝統行事を通じて和文化の魅力を感じてもらいたいと、工房・茶室を出会いの場として提供されています。ご夫婦そろって表千家の茶人でもあり、おふたりの「茶のこころ」を通じた、あたたかく洗練されたもてなしは評判を呼び、近畿一円はもとより、遠く九州からお越しになるお客さまもいらっしゃるのだとか。
「壺中」とは、俗世間を離れた別世界のこと。保庭さんはこう語ります。
「私たちの現実の生活は、ついつい時間に追いかけられる慌ただしいものになりがちです。ここ壺中庵は、縁あって訪れてくださる皆さまがそんな日常からひととき離れ、季節ごとの心ゆたかな時間を過ごすことで、本来のご自身を取り戻すための場所にしていただきたいと思っています」
信楽の土を手びねりする作陶体験、心づくしの茶懐石の昼食とともに弾む会話は何よりの心のご馳走。贅沢な時間が流れます。
らくにゅうとうぼう こちゅうあん
信楽焼に興味が湧いたら、「陶芸」をテーマにした緑豊かな芸術公園「滋賀県立陶芸の森」へ。
野外展示も多数あり、ご家族やペットと一緒にピクニックも楽しめる広大な芝生の広場では、心地よい風に吹かれるひと時を過ごせそうです。
「陶芸の森」から車を走らせること約15分。地元の方も「美味しい!」と口をそろえる手打ち蕎麦のお店「黒田園」は、福井県から移築した築100年という重厚なたたずまいの古民家で、
信楽の名産「朝宮茶」の元お茶農家が営むお店です。店内は天井が高く、中央にどっしりとした囲炉裏が据えられ、どこか懐かしい時間が流れています。あたたかなもてなしと豊かな自然、今も息づく伝統産業。
こころも体も豊かになれる、ちょっと贅沢な一日を過ごしませんか。
やきものの町・信楽にある「陶芸」をテーマにした緑豊かな芸術公園。中には陶芸専門の美術館「陶芸館」や、信楽焼のショップ&ギャラリー「信楽産業展示館」、
また国内外のアーティストが滞在制作する「創作研修館」を備えています。広大な芝生の広場では、ご家族やペットと一緒にピクニックも楽しめます。
そのほか園内には3mを超える大きな作品をはじめとした野外展示も多数存在し、「やきもの×アート×自然」を五感で体験することができます。
福井県から移築した築100年という重厚なたたずまいの古民家で、信楽の名産「朝宮茶」の元お茶農家が営む手打ち蕎麦のお店です。
喉ごしがよくコシのある麺は「九一蕎麦」という珍しい割合で打たれたもの。店内は天井が高く、中央にどっしりとした囲炉裏が据えられ、
どこか懐かしい時間が流れています。平日限定、ボリュームたっぷりの「海老天セット」(1500円)で大満足。自家栽培の朝宮茶も販売されています。