芦屋ロックガーデンの地獄谷〜荒地山ルートで、沢を登り、岩を登る
近代登山の発祥の地と言われている兵庫県の六甲山。1874年に3人の外国人が、ピッケルとナーゲル靴(靴底に鋲を打った登山靴)を使った近代登山を行ったのが始まりです。その六甲山最高峰931mへの主なルートは、「芦屋ルート」「東灘ルート」「有馬ルート」の3つがあります。その中でも一番の人気は、芦屋川〜ロックガーデン〜六甲最高峰〜有馬温泉のルートで、登山初心者から経験者まで楽しめ、休日は多くのハイカーで賑わいます。
「ロックガーデン」は、花崗岩が風化して作り出された奇岩がたくさんあり、神戸や大阪方面の風景が眺められることもあり、人気のルートです。大正から昭和に活動した登山家の藤木九三氏を筆頭とする関西のクライマーたちによって、1924年にRCC(Rock Climbing Club)が設立され、六甲山においてトレーニングをつみました。その代表的な岩場が「ロックガーデン」です。
芦屋川からの定番ルートからステップアップしたい方は、地獄谷〜荒地山ルートを巡ってみませんか。地獄谷ではちょっとした沢登り、荒地山では岩場登りを楽しめます。RCCのメンバーは岩にゲートロック、A懸垂岩、B懸垂岩などの名前を付けて、クライミングの技術を磨いたそうです。ここでは、地獄谷からロックガーデンのA懸垂岩、B懸垂岩跡、万物相(ピラーロック)を通過して荒地山に登り、テーブルロックへ回るルートをご紹介します。
ただし、地獄谷は一般登山道ではなく、ルートは複雑で、2〜3mの滝や岩場をいくつか登ります。気をつければ誰でも登れますが、初心者の方は経験者の付き添ってもらうか、GPSとマップを使ってトライしてください。
ロックガーデン登山の入り口となる「滝の茶屋」を通り、奥にすすむと「高座の滝」があります。この滝のそばに、藤木九三さんのレリーフがあります。
高座の滝からは早速登山道が始まります。沢沿いに登って行き、小さな滝をいくつも越えます。足掛かりが多く、両手両足を使って慎重に登れば、それほど難しくはありません。
やがて風化・浸食した花崗岩が織りなす奇岩群がその姿を次々と現します。ふと南側を見ると大坂湾の素晴らしい景色が広がっています。
さらに登ると、万物相(ピラーロッック)と呼ばれる、山肌から花崗岩が露出し、尖った岩が乱立する独創的な風景が現れます。
荒地山にはテーブルロックと呼ばれる、空中に突き出たように見える平らな岩があります。六甲アイランド周辺の市街地から海を一望できる素晴らしいロケーションです。
芦有ドライブウェイで美しいパノラマ夜景を観賞
芦屋ロックガーデンの入り口「滝の茶屋」の手前には、何台か駐車できるスペースがありますが、すぐに満車になるため、阪急芦屋川駅周辺のコインパーキングの利用をおすすめします。滝の茶屋には、阪急芦屋川駅から歩いて20~30分ほどで着きます。京都方面からは、名神高速道路、中国自動車道を経由して芦有ドライブウェイで芦屋に抜けるのが便利です。
登山の帰りには、芦有ドライブウェイの東六甲展望台に立ち寄りましょう。眼下には大阪平野から大阪湾、西は神戸港まで一望できる大パノラマが展開します。ドラマ「半沢直樹」で、半沢直樹と妻が夜景を眺めた場所として、注目が集まりました。駐車場からは、車に乗ったまま大阪方面の夜景を見渡せるため、寒い夜でもゆっくり楽しめます。
さらに、芦有ドライブウェイの有馬ゲートを出て、有馬温泉の日帰り入浴で、疲れを癒すのもいいでしょう。
機能性とデザイン性に優れた北欧ブランドを中心に、個性豊かなアイテムを取り扱うアウトドアセレクトショップ「FULLMARKS京都店」の店長。併設のトレーニングルームを使ったプログラムや、登山・トレイルランニング・バックカントリーなどの各種ツアーも企画しています。
兵庫県芦屋市奥池南町34-1
営)終日営業(ただし冬期1月1日〜2月末は0〜7時営業休止)
※詳細はHPでご確認ください
京、でかけよう。vol.68 〜奈良薬師寺近くのパティシエがつくるパン屋さん スイーツベーカリー大和〜
京、でかけよう。vol.72 〜琵琶湖の大パノラマに包まれる絶景カフェ。シャーレ水ヶ浜〜