「急須で淹れるお茶の味わいと文化を伝えたい」。老舗茶舗[上林春松本店]のそんな思いを形にするため開かれた[サロン・ド・カンバヤシ]。高台寺のお膝元に、大正時代に建てられた邸宅の蔵を改装したサロンは、落ち着いた照明と座り心地のよい椅子が配され、さっと休憩に立ち寄るというより、お茶を楽しみながらゆっくりとした時間を過ごせるように考え、作られている。
メニューはサロンだけで味わえるオリジナルブレンドの煎茶や季節に合わせて選定したもの。注文をするとスタッフが、美味しい淹れ方やコツ、お茶の製法についても丁寧に教えてくれる。
玉露の銘柄、瑞玉はたっぷり8gの茶葉に40㏄の少量の湯を加えて淹れる贅沢な品。ぬるめの40℃のお湯で3分ほど蒸らし、とろみのあるお茶が一滴ずつ急須の口から落ちてくる様を見守る時間も楽しい。茶碗に入った黄金色のお茶は、とろんとまろやかで甘み、旨みが芳醇。また、二煎目は80℃のお湯を入れて1分待つ。するとバランスの取れたすっきりした一杯に。同じ銘柄でも1煎目と2煎目で、こんなに風味が変わるのかと、驚きと発見も味わえる。
喉を潤すだけでない、日本茶の魅力をもっと知りたくなってくる。
075・551・3633
京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町400-1
営)11:30~17:00(LO)
休)火曜、土・日曜・祝日不定休
駐)無
全席禁煙
記事協力:株式会社 リーフ・パブリケーションズ