6000キロ走行から劇的に乗り心地が良くなった!
昨年の12月から約9か月に渡って長期テスト車として活躍してくれたBMW 320i xDrive M Sport(以下、F30と表記)がいよいよ退役になり、長期テスト第2弾も最終回となりました。すでに新型のG20型がリリースされて京都市内でもちらほら見かけるようになってきましたが、まだまだF30のほうがたくさん走っています。私がテストしたのはF30の最後期モデルの四輪駆動でした。走行距離は8000キロを少し超えたところです。前回のテスト車が5000キロしか走れなかったのでわからなかったのですが、6000キロを超えてから乗り心地が劇的に良くなりました。明らかに当たりがついたというのがわかりました。また四輪駆動になった分、車重は二輪駆動に比べて100キロほど重くなっていて、その重さが乗り心地には有利に働いて、前回のF30のFRモデルと比べても乗り心地は最初から良かったのですが、6000キロを超えたあたりからのしっとりとした乗り心地は大きな発見で、F30型の基本性能の高さを表すものだと思いました。
プラス面とマイナス面
全体を振り返ってみてF30型の四輪駆動モデルのプラスポイントは
①運転しやすいコンパクトなボディサイズ
②四輪駆動ならではの高速直進性や悪天候下での安定性
③しっとりとした乗り心地
にまとめることができます。
逆にマイナスポイントは
①四輪駆動にした分、重量が重くなりパワー感が低下
②重さにより燃費が悪化(高速中心でリッター11~12キロ、市街地中心だとリッター7~8キロぐらい。FRと比べると1割~1.5割悪化している印象)
③小回りが利かない(あくまでもF30のFRモデルと比較して)
ということになります。
しかしマイナスポイントにあげたものも、四輪駆動ならではのメリットと相対的に考えるとそれほどのマイナスではないかもしれません。
BMWは四輪駆動メーカーになる(私見の予感)
F30で四輪駆動モデルは10台に1台もないと思いますが、FRと四駆をそれぞれ半年以上乗り比べてみてわかったことは、私のなかの「BMWはFRが絶対!」という先入観は完全に覆されたということです。もちろんFRはまさにハンドリングマシンで、運転していて楽しいですし、軽くて燃費も良い車です。しかし四輪駆動の悪天候下の安心感としっとりとした乗り心地を味わうと、2台並べられて限られた時間で500キロ離れたところまで行け!といわれたら間違いなく四駆を選びます。いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる前方が見えないほどの雨にも今年何回も遭いました。そんなときでも圧倒的な安心感がありました。
新型G20はリリースされたけれど
今年リリースされたG20には先進装備が満載で、もちろん最新モデルらしい魅力がいっぱいです。私もちょい乗りしたぐらいですが、その進化幅は驚くべきものがあります。
しかし、BMW伝統のアナログメーター。そしてオレンジのナイトライトはF30で終わり。新型は液晶画面満載になっています。私はいまだにアナログメーターが好みで、夜、ライトをオンにしてオレンジ色の文字が浮かび上がると「やっぱりBMWかっこいいよな!」とニヤニヤしてしまいます。
またBMWは新型が出る直前まで現行型を徹底的に磨きあげていくので、旧型になってもその魅力は色褪せません。色褪せないどころか、価格も新車と比べると大幅にリーズナブルになっていて一つ前の型には、大いなる魅力があると思います。少し敷居が高いドイツ車、しかもBMWですが、旧型でありながら最新の実力を兼ね備えたF30はカジュアルな存在として普段着感覚でガンガン使い倒してあげれば、さらにそのポテンシャルが開花するのではないでしょうか。
BMW嫌いがBMW好きに
これまで私の人生でドイツ車を所有したことはなく、知人の車を運転させてもらったり、試乗したりするぐらいでした。そのときの印象は、操作系が重くガッチリしているものの、少し鈍な感じがして真面目すぎて好きになれませんでした。しかしF30型を今回2台続けて、あわせて1年以上長期テストしたことで、私の印象はガラッと変わりました。もちろん故障や不具合は一切なく、運転すると軽やかで正確無比。フォーマルな場所へも気兼ねなく乗り付けられて、荷物も満載できる。取材機器も飲み込むし、サッカー道具もなんのその。セダンは積載能力が低いという先入観も覆されました。その中で他のドイツ車と比べてBMWが圧倒しているのはベタになってしまいますが「駆け抜ける歓び」でした。なるほど、あのキャッチコピーは言い得て妙だったのです。
城陽の店舗には走行距離の少ないF30型をはじめBMWが豊富に展示されています。
BMWはまだ、という方はぜひ、一度ご自身の目で確かめていただき、リーズナブルにBMWライフを始めていただければ、きっと楽しいカーライフになると思います。
お別れは名残おしいですが、ひょっとすると近い将来、プライベートカーとして我が家のガレージにならんでいるかも(笑)
1977年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。2000年KBS京都にアナウンサーとして入社。入社2年目からは報道記者を兼務し、事件、政治、教育、大学担当などを歴任。25歳でニュース番組のメインキャスターを担当し「現場で取材し責任をもってニュースを伝える」スタイルを確立。現在はニュースの編集責任者=ニュースデスクも務める。国政、府政などの選挙特番の司会、構成も手掛け、京都の政治、経済の現場を幅広く取材中。クルマ、ゴルフ、料理好きの3人の子どものパパの両面を併せ持つ。