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MAZDA CX-30 20S PROACTIVE Touring Selection 試乗レポート

CX-30は、どの角度から見ても美しく力強い印象を受ける。とりわけ、クラッディングの使い方は絶妙で比較的、面積の広いボディに程よいコントラストを付け、SUVらしい引き締まったシルエットに仕上げている。

 

03 伸びやかな美しさとSUVらしい力強さが融合したプロポーション
2010年から始まったマツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」は、マツダのブランド価値を向上させる大きな原動力となりました。第7世代では、この魂動デザインをさらに深化させ、日本の美意識を礎とした新たなエレガンスを目指しています。これを受けてCX-30では、「Sleek & Bold」をデザインテーマに掲げ、伸びやかなクーペの美しさと、大胆なSUVの力強さという相反する2つの表情を併せ持ったデザインを実現。具体的には、ボディ下部を幅広のクラッディング(黒い樹脂パーツ)で大胆 にブラックアウトすることで、極めてスリムで伸びやかなクーペのようなプロポーションを創出すると同時に、ホイールアーチのクラッディングによってSUVらしい力強さと安心感も表現しています。
また、ボディ側面はMAZDA3と同様にクルマの動きとともに周囲の景色がS字型に揺らめきながら映り込む「移ろい」を表現。このため、ボディ側面に映り込む景色がクルマの動きとともに表情が変わり、場所や季節などによって見る人の感性を刺激します。ロケ地の嵐山高雄パークウェイは、ちょうど紅葉が始まっていましたが、停車していても見る位置によってボディ側面に映し出される紅葉の表情が変わるので、その美しさにしばし魅了されました。
 

フロントエンドは端正で精悍な表情となっており、より鋭く、深い造形に進化させたシグネチャーウイングとフロントバンパーの形状とが相まって、前進感の強い立体造形を実現している。

リアエンドは絞り込まれたキャビン後半から大きく張り出したリアフェンダーとハッチゲートのアーチ状のくびれ造形によって、艶めかしくも迫力のある豊かなデザインになっている。

04 包まれ感と抜け感を対比させた居心地の良いインテリア
CX-30のインテリアは 、「人間中心」の思想と日本の伝統的な建築にも見られる「間」の考え方に基づいて設計。凝縮されたドライバーコクピットの「包まれ感」と、すっきりとした助手席の「抜け感」を対比させた空間が基本となっており、室内は実に自然で居心地の良い空間となっています。とりわけ、メーターフードを起点に助手席側のドアトリムまで美しくカーブを描くウイング状のフード造形は、助手席に座る人を優しく包み込み、視覚的な広がりを持たせながら適度のブラインド効果を確保しているので、とても安心感のある居心地の良い空間に仕上がっています。
CX-30のキャビンは、全長が4,395mmと短い割には、とても広々しているところも魅力のひとつです。これはホイールベースをCX-5とほぼ同等の2655mmに設定し、前席と後席のヒップポイントの間隔を広めに取っていることが要因。さらに、ヒップポイントとフロアを低くすることで空間にゆとりを持たせてあるので、身長180cmの筆者が乗っても前席、後席とも全く窮屈に感じることはありませんでした。
これだけの広いキャビンを確保していると、通常はラゲッジスペースにしわ寄せがいくものですが、CX-30は何と430Lという大容量のスペースを確保。1,020mmの広い開口幅との相乗効果で、大量の荷物を苦もなく積み込むことが可能です。この点は大人4人がゆったり過ごせるキャビンと相まって、同クラスのSUVと比べると大きなアドバンテージになるでしょう。
 

コクピットはMAZDA車の特徴となっているドライバーを中心とした左右対称のレイアウトを採用。各操作系も最適配置されいるので、極めて自然な体勢で運転できる。

助手席側はドアトリムまで美しくカーブを描くウイング状のフード造形となっているので、助手席に座っていると優しく包み込まれる感じになり、とても居心地が良い。

後席は身長180cmの筆者が乗ってもレッグスペースやヘッドクリアランスに十分余裕がある。ボディサイズからはとても想像できない広さだ。

ラゲッジスペースは430Lの大容量と1020mmの開口幅を確保。開口部下端の高さも731mmと低いので、大きな荷物や重量物も楽に載せられる。

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