fbpx

03ソフトトップとRFは方向性が異なる

小原ロードスターにはソフトトップとハードトップ(RF)の2タイプがありますが、それぞれの方向性についてお聞かせください。

中山氏
正直、RFの開発にあたっては、社内でさまざまな意見があったことは確かです。しかし、結果的にはカニバリゼーション(※自社の商品・サービスが自社の他の商品・サービスを侵食してしまう現象)は一切発生せず、ソフトトップとRFのお客様は見事にセグメントできています。
オリジナルモデルのソフトトップは、オープンカーとしての利用がデフォルトで、必要に応じてルーフを閉めることができるクルマ。これに対して後発のRFは、ハードトップとしての利用がデフォルトで、必要に応じてルーフを開けることができるクルマという正反対の位置付けにしました。
この結果、ソフトトップはオープンタイプのスポーツカーを好むマニア層向け、RFはスポーツカーを日常の足としてお洒落に乗りこなしたいコンフォート層向けという具合に綺麗に棲み分けができました。実態としては、ソフトトップはマニアの方のファーストカーとして、RFは若干、生活に余裕のある方のセカンドカーとして乗っていただいているような気がします。

04人馬一体の思想はデザインにも浸透

小原ND型は以前にも増してグラマラスで美しいボディラインになっていますが、トップが盛り上がったフロントフェンダーは車両感覚の把握にも役立つと感じました。これは当初から意識してデザインされたのですか。

中山氏
実は、その辺りも意識してデザインしました。私はデザイナー出身ですが、クルマ好きな人が直感的に良いなと思ったデザインは、機能的にも優れていることを経験的に知っています。
ですから、ここは自然体で取り組むことができました。
これは後から分かったことですが、ちょうどフロントフェンダーのピークのところにキャスターが配置されているため、クルマを操る楽しさにも一役買っています。これは、まさに人馬一体の思想がデザインにも浸透している証拠ですね。

デザインの話になるとスケッチを交えながら、より一層楽しそうに説明してくれる中山氏。まさに「魂動デザイン」の実演だ。

デザインの説明中にスケッチしてくれた絵。ひと目でロードスターとわかる絵を、一筆書きでサッと描いてしまう。さすがはプロだ!

中山氏がスケッチした絵の拡大版。せっかくなので、ご自身のサインを入れてもらった。スタッフ一同感動!

ロードスターのボンネットは中央が低く、フェンダーはエッジの効いたセクシーなラインで構成されている。これにより広々とした視界と左右の見切りの良さを実現している。

RELATED ARTICLES関連記事