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VW Golf eTSI Style 試乗レポート

「新型Golf」でデジタル化されたコックピットは、同じ視覚軸上で結合されたデジタルディスプレイ環境を構築。運転操作や各機能の操作は迷うことなく直感的に行うことが可能だ

 

07.デジタル化されたコックピットでクルマとの一体感を演出
デジタル化されたコックピットは「新型Golf」の目玉のひとつ。そのベースとなっているのが、10インチディスプレイを備えた標準デジタルメータークラスター「Digital Cockpit Pro」、標準装備のインフォテインメントシステム(1,560 x 700ピクセルの10インチタッチスクリーン)、マルチファンクションステアリングホイールです。これにより、運転席には同じ視覚軸上で結合されたデジタルディスプレイ環境が構築される形となっているので、運転操作や各機能の操作は迷うことなく直感的に行うことが可能。想像以上に使い勝手が向上しています。
また、ライトや視界関連の操作性も見直されており、ライト、フロントウィンドウおよびリアウィンドウヒーターは、インストルメントパネル右側のデジタルパネルを使用して操作。同様のコンセプトはオプションのチルト&スライディングパノラマサンルーフ用のタッチスライダーにも採用されており、スマホのタッチパネルと同じような感覚で操作できるので、デジタル化による進化をここでも実感することができます。
 

ライト、フロントウィンドウおよびリアウィンドウヒーターは、インストルメントパネル右側のデジタルパネルを使用して操作。ボタンやツマミでないところに先進性を感じる

オプションのチルト&スライディングパノラマサンルーフもオーバーヘッドコンソールにあるタッチスライダーで操作する。慣れると、こちらの方が使いやすく感じる

08.クラスを超えたドライバーアシスタンスシステムにより安全性や快適性が向上
新型「Golf」には、クラスを超えたハイレベルなドライバーアシスタンスシステムを数多く標準装備としています。例えば、新型「Golf」に初採用となった同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」は、車速域0~210km/hで作動させることが可能で、静電容量式センサーを採用したステアリングホイールを軽く握っているだけで、前走車との車間および走行レーンの中央維持をサポート。とりわけ、高速道路などでの長距離移動において安全性の向上及び疲労軽減に寄与します。
また、緊急時停車支援システム「Emergency Assist」は、ドライバーが意識を失うなど運転操作を行えない状態をシステムが検知すると、警告音と警告表示により注意喚起を行い、最終的には同一車線内にて車両を停止させることが可能で、車両の暴走による事故を未然に防ぎ、被害を最小限に抑えます。
このほか、乗員が降車時にドアを開いた際、後方から接近している車両や自転車などの障害物を検知すると、警告音とドアミラーハウジングの表示灯にて注意喚起を行うエグジットウォーニング(降車時警告機能)もフォルクスワーゲン初採用のドライバーアシスタンスシステムで全車標準装備されています。
 

フロントカメラで対向車や先行車を検知し、マトリックスモジュールに搭載された片側22個のLEDを個別に点灯・消灯の制御をすることで、最適な配光を可能とした最新のヘッドライトシステム、LEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」もオプション設定(テクノロジーパッケージ)可能

 

09.マイルドハイブリッド化されたパワートレインのフィーリングは秀悦!
「新型Golf」には、フォルクスワーゲンとして初めて48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを1.0TSIエンジン(81kW/110PS)と1.5TSIエンジン(110kW/150PS)に設定。48Vベルト駆動式スタータージェネレーターは、スターターとしての役割のほか、小型電動モーターやジェネレーターとしての役割を果たし、車両の発進時にエンジンをサポートする形でトルクを発生することでスムーズな加速を実現し、とりわけスタート/ストップの多い街中において威力を発揮します。
今回は2021年6月にフルモデルチェンジを果たした「新型Golf(Golf8)」を試乗しましたが、世界中で同クラスのコンパクトカーがひしめく中、このクラスを約45年もの間リードしてきたクルマだけあって、やはり細部までそつなく仕上げているという印象。正常進化+αの魅力を持った「新型Golf」は、昔も今も変わらず、輸入車の初めの一歩として自信を持ってお勧めできるコンパクトカーといえるでしょう。
 

試乗車は1.5ℓのeTSIエンジンを搭載した「Style」でしたが、実際に乗ってみると「Golf7」の1.4ℓTSIエンジンで発生していた発進時のもたつきは一切感じることなく、力強くスムーズに加速していきます。これは街中での信号待ちからのスタート時でも、嵐山-高雄パークウェイのような急こう配の上り坂でも同様で、感覚的には良くチューニングされた1.8ℓ程度のレシプロエンジンと同じような力強さ。「新型Golf」は、1.5ℓTSI+電動ブースト機能の組み合わせで燃費を大幅に削減しながら、加速性能に関しては高いパフォーマンスを実現しており、日常の足として使用するコンパクトカー求められる経済性とエンジン性能が十分に確保されています。
また、ドライビングフィールや乗り心地も優れており、幅広いトレッドと比較的長めのホイールベースのお陰でコーナリング時はロールが少なく、クセのない素直なハンドリングで好印象!実用的なコンパクトカーでありながら、路面にピタッと張り付く安定感の高さや静粛性の高さも見逃せません。
 
今回は2021年6月にフルモデルチェンジを果たした「新型Golf(Golf8)」を試乗しましたが、世界中で同クラスのコンパクトカーがひしめく中、このクラスを約45年もの間リードしてきたクルマだけあって、やはり細部までそつなく仕上げているという印象。正常進化+αの魅力を持った「新型Golf」は、昔も今も変わらず、輸入車の初めの一歩として自信を持ってお勧めできるコンパクトカーといえるでしょう。
 

試乗車の「Style」に搭載される1.5ℓのeTSIエンジン(110kW/150PS)。48Vベルト駆動式スタータージェネレーターのアシストによって、力強くスムーズに加速してくれる

DSG方式のシフトレバーは、シフトバイワイヤー化されたことで先代モデルよりも大幅に小型化され、とてもお洒落な形となっている。ここも「新型Golf」の大きな進化だ

 

モータージャーナリスト / メディアプランナー
小原 裕一郎(Yuichiro Ohara)

ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。

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