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Audi Q5 40 TDI quattro S line 試乗レポート

エレガントでありながら力強いフォルムを持つ「新型Audi Q5」は、嵐山のような自然豊かな場所へ行っても抜群のフィット感がある。このクルマに乗っていると、思わずアウトドアフィールドへ繰り出したくなるから不思議だ

 

06.ディーゼルエンジン搭載のSUVとは思えないスポーティな走りを実現
今回のマイナーチェンジではパワートレインも刷新されています。45 TFSI quattroは2ℓ直列4気筒直噴ターボエンジン、40 TDI quattroは2ℓ直列4気筒直噴ターボディーゼルエンジンを搭載し、それぞれベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)と12Vリチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッドシステム(MHEV)を採用しています。
実際にディーゼルエンジンを搭載した試乗車に乗ってみると、そもそも太いトルクで力強かったにもかかわらず、マイルドハイブリッドシステムのアシストを得たお陰で、これまで以上に強力なトルクを感じることができます。しかも、まるでガソリンエンジンのようにスムーズに吹き上がり、ぐいぐい加速を続けていくので、その走っぷりはさながら高性能スポーツカーのような乗り味。高いボディ剛性、長いストロークでしっかりと路面をグリップするサスペンション、クワトロならではの優れた追従性を示すハンドリングなども手伝って、とてもディーゼルエンジン搭載のSUVとは思えないスポーティな走りを披露してくれます。
 

最高出力150kW(204PS)、最大トルク400Nm(40.8kgm)の2 ℓ直列4気筒直噴ターボディーゼルエンジン。1,910kgの車体を力強く加速させる

素早いシフトチェンジを可能にする7速Sトロニックトランスミッションにより、どの速度域からもスムーズでレスポンスの良い加減速を実現している

また、より効率を高めた AWDクラッチ付quattro4輪駆動システムは、7速Sトロニックトランスミッションと組み合わされ、エンジンパワーとトラクションを状況に応じて最適化。システムが4WD走行を不要と判断したときには、AWDクラッチによりプロペラシャフトとリヤデファレンシャル内のデカップリングクラッチにより、リアドライブシャフトをそれぞれ切り離すことで前輪のみにトルクを配分。コースティング(惰力走行)時にはエンジンを完全停止するなど、燃料消費量を抑制しながら快適なドライビングを実現してくれます。
 

07.絶妙のパッケージングと高い運動性能で同クラスのSUVを一歩リード
「新型Audi Q5」のボディサイズは、全長4,685mm、全幅1,900mm、全高1,665mmと全長は見た目以上に短い反面、全幅は大型SUV並みのサイズ。全体的にはスクエアで安定感のあるフォルムとしながら、近年、大型化が加速しているSUVの中にあって比較的コンパクトなサイズとなっており、仮に狭い路地に入り込んでしまっても取り回しは容易。本格的なSUVとしては、まさに絶妙のパッケージングといえます。
その一方でホイールベースは2,825mmと少し長め。こうすることで広々とした室内空間や大きなラゲッジスペースを確保しつつ、前後のオーバーハングを短めに設定できるので、操安性に優れたAudi伝統の4WDシステム(クワトロ)との相乗効果で高い運動性能を確保しています。さらに、今回のマイナーチェンジによってパワフルになったエンジンやマイルドハイブリッドシステムが導入されたので、同クラスのSUVの中ではデザインも含めて一歩リードしている感があります。
Audiといえば、エレガントな都会派のイメージがありますが、そのイメージを損なわず、SUVとしての価値を最大限に高めた「新型Audi Q5」は、数あるAudi Qシリーズの中でも、もっともバランスの取れたオススメの1台といえるでしょう。
 

 

モータージャーナリスト / メディアプランナー
小原 裕一郎(Yuichiro Ohara)

ビデオリサーチ、ニールセン、Yahoo! Japanを経てフリーランスに転身。本職はマーケティングや広告だが、1990年代からモータージャーナリストとしても活動しており、とりわけ4WDやSUVには造詣が深い。
趣味はアウトドア(キャンプ、釣り)、バイク、アマチュア無線(JI1DLD)。犬と猫が好き。

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