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京、でかけよう。vol.80 〜京都の文化・芸術に新たな1ページ。京都市京セラ美術館〜

日本に現存する最古の公立美術館建築がリノベーションオープン

 
2017年より休館していた京都市美術館が、「京都市京セラ美術館」として2020年にリニューアルオープンします。日本を代表する建築家、青木淳と西澤徹夫による、画期的な大規模リノベーションがついに完成しました。
京都市美術館は1933年に、財界や美術界、京都市民の寄付によって開館した、現存する国内最古の美術館建築として知られています。創建当時の和洋が融合した本館の意匠を最大限保存しながら、現代的な要素を加えた新しい美術館として生まれ変わりました。
 

京都市京セラ美術館

京都市京セラ美術館

 
美術館前には、スロープ状の広場「京セラスクエア」が誕生。開放的な憩いの場となるとともに、アート作品の展示や夜のライトアップ、パフォーマンス、コンサートなど、人々が集い賑わうイベントを開催することができます。
京セラスクエアのスロープの上から本館を眺めると、歴史的建造物が浮いて下に空間が開いているような錯覚を感じます。この空間は「ガラス・リボン」と呼ばれる本館地下1階部分で、ガラス張りの現代的な建造となっています。中央がエントランスで、来館者は主にここを通って美術館へと入っていき、左右の空間にはミュージアムショップとカフェスペースが設けられています。

 

京都市京セラ美術館 中央ホール

らせん階段やバルコニーなども新たに設置された中央ホール

 
地下1階メインエントランスのロビーから大階段を上がると、天井高16メートルの「中央ホール」につながります。以前は「大陳列室」として使われていた空間ですが、人々が自由に往来できるハブとして機能が変わりました。左右には、南北の展示室「南回廊」「北回廊」へとつながる扉があり、東側正面には「日本庭園」と新館「東山キューブ」につながる扉があります。
今回のリニューアルにより、常設展示室(コレクションルーム)が新設されました。開館以来収集してきた3,700点を超える近代以降の京都の美術作品のなかから、四季に合わせた選りすぐりの作品を年4回展示。日本画の名品を中心に、季節感に溢れた京都の美の世界を多数紹介します。
 
本館では開館記念展として「京都の美術 250年の夢」を、12月6日(日)まで3部構成で開催(日程調整中)。江戸後期に活躍した伊藤若冲や与謝蕪村、円山応挙にはじまり、明治から昭和にかけて京都画壇を盛り上げた竹内栖鳳や上村松園、戦後から現代にかけて革新的な日本画を創造した小野竹喬、福田平八郎ら、総計400点を超える名作を紹介します。
 

京都市京セラ美術館 本館 北回廊広間

本館 北回廊広間

京都市京セラ美術館 本館 光の広間

使われていなかった中庭を活用した多目的スペース「光の広間」

京都市京セラ美術館 本館中央ホールから日本庭園へ

本館中央ホールの扉を抜けると日本庭園が広がっている

京都市京セラ美術館 本館2階西広間の天井にはステンドグラスが残されている

本館2階西広間の天井にはステンドグラスが残されている

京都市京セラ美術館の外観や内観には建築的魅力に溢れ、建物自体がアートな存在です。本館は、国の登録有形文化財に登録される見通しとなりました。7月ころの官報告示で正式に国登録有形文化財となります。

 
敷地の北東には、最新設備を備えた展示室「東山キューブ」が新設されました。現代アートのほか、アニメーションやコミック、ファッション、建築、デザインなど、現代カルチャーの展覧会を開催します。また、屋上庭園「東山キューブテラス」からは、京都・東山の雄大な景色と情緒溢れる雰囲気を望むことができます。

 

新館「東山キューブ」の展覧会第一弾は、「杉本博司 瑠璃の浄土」を10月4日(日)まで開催。
大型カメラを用いた独自のコンセプトによる写真作品を制作するとともに、古今東西の古美術などの蒐集、建築、舞台演出など幅広い創作活動を行う杉本博司の、京都における初の大規模展となります。
新たに制作された京都蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)中尊の大判写真を含む「仏の海」や、世界初公開となる大判カラー作品「OPTICKS」シリーズの作品を展示します。また、屋外の日本庭園には杉本博司による《硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)》も2021年1月末まで設置されます。
今後は「THE ドラえもん展 KYOTO」、「ANDY WARHOL KYOTO/アンディ・ウォーホル・キョウト」などが開催予定となっています。
 

杉本博司 瑠璃の浄土

東山キューブでの展覧会第一弾「杉本博司 瑠璃の浄土」展示風景   ©Hiroshi Sugimoto

 

京都市京セラ美術館法人メンバー

 

京都市京セラ美術館では、美術館の魅力を未来に向けて継承・発展させ、多くの方が美術館を身近な存在としてより楽しむことができるよう、メンバーシップ・プログラムへの入会を通じた支援を募集。メインエントランスには、法人メンバーとして支援する地元を中心とした企業の銘板が掲載されています。マツシマホールディングスも文化芸術振興のため、ブロンズメンバーとして参画しています。

 

 

京都市左京区 |美術館 |

京都市京セラ美術館

 075-771-4334
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124
営) 10:00~18:00 入場は閉館の30分前まで
休) 月曜(祝日の場合は開館)、年末年始
 
https://kyotocity-kyocera.museum/

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