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パラ・パワーリフティング

■ パラ・パワーリフティングの概要と魅力 ■

パラ・パワーリフティングの始まりは、1964年の東京大会で、「ウェイトリフティング」の名称で開催された障害者ベンチプレス競技でした。「重量挙げ」で知られるウェイトリフティングとは異なり、ベンチに寝そべった状態でバーベルを持ち上げる、いわゆるベンチプレスの競技です。その後1992年のソウル大会で、「パワーリフティング」という名称に変わりました。

健常者の場合はベンチの下に脚を着け踏ん張ってバーベルを持ち上げますが、パラの競技では下肢に障害のある選手などが脚をベンチの上に乗せて、上半身の力だけでバーベルを持ち上げます。そのため、障害の程度にかかわらず参加でき、体重によるクラス分けのみ存在する競技です。世界記録は、健常者の記録を上回るものが大半です。上半身だけで、自身の体重の約3倍の重量を持ち上げる選手もいます。
実際、大堂選手と宇城選手は、かつて健常者の大会に出場し優勝もしています。現在は、ルールの都合で、健常者の大会へ車いすで出場することは難しくなっていますが、障害者と健常者が競い合う大会も行われています。

ルールは名前を呼ばれてから2分以内にベンチに寝そべって試技を開始しなければなりません。脚に力の入らない選手は、ストラップでベンチに脚を固定しても良いことになっています。
バーベルをラックから外して胸まで下ろし、バーベルを胸の上で止めて、腕を伸ばしながら一気に上げます。バーベルを胸で弾ませたり、少しでも傾くと失敗となります。ただバーベルを上げればいいというものではなく、美しいフォームでしっかりとバーベルを持ち上げることが重要です。
申告した重量の少ない選手から1回ずつローテーションし、3回目の試技を終えた時点で最も重い重量を持ち上げた選手が勝ちとなります。

どのくらいの力が出るか筋力を競う、わかりやすく単純におもしろい競技です。最近は、大型映像、ライティング、舞台デザイン、音楽を駆使して、エンターテイメント性を高め楽しく観られるようになっています。選手の表情や、抜きつ抜かれつの駆け引きに注目すると、さらに楽しさが増します。
 
 

パラ・パワーリフティング強化合宿

左から、大堂秀樹選手、光瀬智洋選手、森崎可林選手、坂元智香選手、奥山一輝選手、宇城元選手

 

パラ・パワーリフティング強化合宿

坂元選手、光瀬選手、宇城選手と、コーチの特定非営利活動法人日本パラパワーリフティング連盟 石田直章副理事長

 
 
 
■ 注目の選手 ■
 

パラ・パワーリフティング三浦浩選手

三浦 浩(みうら ひろし)
男子49kg級
ロンドン、リオ続く3回目の代表
リオ大会日本人最高位5位

パラ・パワーリフティング光瀬智洋選手

光瀬 智洋(こうせ ともひろ)
男子59kg級
2020年、2021年全日本選手権男子59kg級2連覇
143kgの日本記録保持者

パラ・パワーリフティング宇城元選手

宇城 元(うじろ はじめ)
男子72kg級
アテネ、ロンドンに続く3回目の代表
72Kg級では176kg、180Kg級では186.5Kgの2階級で日本記録を保持

パラ・パワーリフティング坂元智香選手

坂元 智香(さかもと ちか)
女子79kg級
女子73kg級と79kgの2階級で日本記録保持者