整形外科は、骨・関節・筋肉・神経といった運動器の不調を診る診療科です。年齢を重ねて出てくる慢性痛から、スポーツや日常生活でのケガまで、幅広く受け持っています。「内科か整形外科か」で迷う症状もあるので、整形外科の守備範囲を一度整理しておくと、受診先を判断しやすくなります。
整形外科の守備範囲
整形外科で扱う代表的な領域は次のとおりです。
- 関節の痛み(変形性関節症、リウマチなど)
- 骨折・脱臼・捻挫といった外傷
- 腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア
- 肩こり・五十肩・腱板損傷
- スポーツ障害(野球肘・ランナーズニーなど)
- 骨粗しょう症の検査・治療
- 外反母趾・巻き爪などの足のトラブル
麻痺・しびれを伴う症状は、脳神経内科や脳神経外科の領域と重なることがあります。整形外科で最初に評価し、必要なら別科に紹介してもらう流れが一般的です。
部位別の代表的な症状
膝の痛み
中高年で多いのは変形性膝関節症で、立ち上がりや階段昇降で痛みが出るのが典型です。若い世代でもスポーツによる半月板損傷・前十字靭帯損傷など、レントゲンに映らない損傷が原因となることがあります。腫れ・熱感を伴うときは早めの受診が勧められます。
腰の痛み
急に動けなくなるぎっくり腰、長く続く慢性腰痛、足のしびれを伴う坐骨神経痛など、原因はさまざまです。安静で2〜3日で改善するものもあれば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のように専門的な治療が必要なケースもあります。
肩の痛み
40〜60歳代に多い肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)は、夜間痛と腕の挙上制限が特徴です。腱板損傷の場合は痛みのほかに力が入りにくいという症状が出ます。長引く場合は超音波やMRIで原因を確認します。
スポーツによるケガと整形外科
捻挫や打撲は軽症なら自宅安静で改善することもありますが、強い腫れ・関節の不安定感・痛みが2週間以上続くといったサインがあるときは整形外科を受診してください。RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)を初期に行ったうえで、診断と再発予防のためのリハビリにつなげるのが一般的な流れです。
受診の目安
- 痛みが1週間以上続いている
- 動かしたときだけでなく、安静時にも痛む
- しびれ・脱力・感覚の異常を伴う
- 腫れ・熱感が強い、または夜間痛で眠れない
- 転倒・スポーツでのケガ後、患部に力が入らない
これらのいずれかが当てはまるときは、自己判断で湿布だけに頼らず受診を検討してください。
治療の選択肢
整形外科で提供される治療は、薬物療法・注射・装具療法・理学療法(リハビリ)・必要に応じて手術という幅広い選択肢があります。最近は超音波エコーを使った診断・ガイド下注射、ヒアルロン酸関節注射、運動器リハビリテーションなど、保存療法の精度も大きく向上しています。
運動器の不調全般について、日本整形外科学会のサイトでも詳しい解説が公開されています。